...しかしかかる駄筆を弄したのも一にそれによつて山中を偲ぶよすがともなろうかと思つたからである...
伊丹万作 「人間山中貞雄」
...中村屋の今昔を偲ぶことにしましょう...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...私は先日亡き先生を偲ぶべく...
相馬御風 「獨愁」
...近代の大阪が生んだ稀有な画人の俤を偲ぶのに此の上もないよすがになると思う...
谷崎潤一郎 「大切な雰囲気」
...三国一の善光寺参拝旁(かた/″\)昔を偲ぶ虎之助さんの墓でも見に御出かけになりませんか...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...武蔵野の面影を偲ぶに足るやうな林やら丘やら草藪やらが沢山にあつた...
田山花袋 「丘の上の家」
...新たの將帥缺かざれど衆みな切に彼偲ぶ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...動物愛護を實地に教へてくれた慈母の俤を偲ぶのである...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...心平さんと同じく地の一隅を睥睨して遙かな海を偲ぶし...
豊島与志雄 「「草野心平詩集」解説」
...故人波多野氏を偲ぶ夕として...
豊島与志雄 「塩花」
...今は亡い遠い昔の人を偲ぶような心地だった...
豊島与志雄 「反抗」
...クラブで〈シゴイさんを偲ぶの会〉というパァティをやった...
久生十蘭 「だいこん」
...病まぬ日は昔を偲ぶをこととしたが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...いま此を小林清親が旧東京版画の上に偲ぶ可し...
正岡容 「下町歳事記」
...上海引き揚げ後これも行方のわからない虎ちゃんともども偲ぶのである...
正岡容 「わが寄席青春録」
...坦々でなく紆餘曲折端睨すべからざる中に偉人の俤を偲ぶといふ風にするのが眞に是れ偉人を偉人として遇し...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...店頭には猿や狼がブラ下っていわゆるモモンジイの昔を偲ぶ...
山本笑月 「明治世相百話」
...その蓮如をいまに偲ぶにつけても...
吉川英治 「折々の記」
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