...實儀一偏に平生無口な足人には...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...以て御身心の安寧と併て現世死地の人民及将来の災厄を偏に御救済あらん事を厚く願上候...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...偏に高免の田畑所持仕り候故と心得...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...呪とは口偏に兄という字ですが...
高神覚昇 「般若心経講義」
...それを偏に諸書が前で爾雅が後であると斷じたのは決して當を得たものと云ふことが出來ない...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...眼は鋭く 話ははつきりして 講釋は音吐晴朗 語調明確 別に氣取つた風采なく 抑揚頓挫なども稀で 偏に學生の理解を希うていた...
長岡半太郎 「プランク先生の憶い出」
...金偏に良という字なんぞを一つ奢(おご)っていただくわけには参りますまいか」「金偏に良なんていう字は無い...
中里介山 「大菩薩峠」
...是れ我輩が偏に我帝室の獨立を祈願する由縁なり...
福沢諭吉 「帝室論」
...唯(ただ)今日の文明主義に変化して開国一偏に国事を経営して呉(く)れゝば遺憾なしと思えども...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...是れ偏に鴎外先生が「渋江抽斎」末章を引用する迄もなく...
正岡容 「下谷練塀小路」
...此も偏に、あの講談通のお客の賜(たまもの)といよ/\心から感泣して、そのお客の祝儀だけは開けても見ずに神棚へ、他の祝儀だけ計算すると廿余円もあつた...
正岡容 「落語家温泉録」
...尤も帰宅後家人に此を質せばカーテンの烈しく裂けしは偏に日当り好きための由...
正岡容 「山の手歳事記」
...くすのきいふ字は木偏に南と書くのやで...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...木偏になんやらむつかしい字が書いてある...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...木偏に章魚(たこ)のたアの字やな...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...偏に目を漢医方の上にのみ注いだ論である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...視界に入っているのは偏にそれら輪郭の異常な高さのおかげだということが判ったのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...同じ音で偏だけ異なっているのは偏によって意味の違いを表示したもので...
和辻哲郎 「露伴先生の思い出」
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