...)編物に倦きたといふ態(ふう)で...
石川啄木 「札幌」
...この書をわが老母と妻に早春の一日読書にも倦きたので...
薄田泣菫 「独楽園」
...それにも拘らず、そこらに遊びに来てゐる子供達は、却つてその橋のぐらぐら動くのを面白がつて、わざと欄干の上をわたつたり、ところどころ大穴の明いてゐる橋板を踏み鳴して向うに行つたり、それも倦きて、忽ち裸になつて、その下の綺麗な水にザンブと身を跳らせたりした...
田山録弥 「花束」
...倦きたら倦きたでいい...
豊島与志雄 「好人物」
...作者は恐らく倦きるだろう...
豊島与志雄 「小説集「白い朝」後記」
...倦きずにじっとしている...
豊島与志雄 「猫先生の弁」
...倦きるくらい見ていらっしゃるじゃありませんか...
豊島与志雄 「復讐」
...いつも同じ物を同じ行き方で演出するのに倦きて新奇を求めようとする心も手伝つてであらうが...
野上豊一郎 「演出」
...小一時間、「金吾クン行状記」月は上りぬの巻を覚えにかゝり、倦きて、黒岩涙香「死美人」を読み出し、五十頁、これで十二時となる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それにも見倦きると今度はお隣りのゴルフ服の紳士とお孃さんの會話に耳をかたむけた...
堀辰雄 「エトランジェ」
...夢には倦きはてた! わしが欲しいものは愛だ――わしのなくなった愛! なくなったわしの愛!デュアック 愛は...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「ウスナの家」
...聖僧(どるいど)よ! わしは聞き倦きた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「ウスナの家」
...すこし倦きる...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...食べ倦きた飴玉などを分けてくれたり人形の着物を縫ってくれとせがんだりする時がある...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...そのほかの虫にはたいてい聞き倦きたものだ...
山本笑月 「明治世相百話」
...私はもう湖面を見るのは倦き倦きして...
横光利一 「榛名」
...それが三千年も続いて来てまだ倦きようともしないのだ...
横光利一 「旅愁」
...夜が明けたって倦きなかったでしょう...
横光利一 「旅愁」
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