...われわれは決して倦怠になやむことはないだろう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...私は物倦(ものう)げに立ち上って...
高見順 「如何なる星の下に」
...これと反対な倦怠(けんたい)の状態も週期的に循環して来た...
寺田寅彦 「球根」
...一時に五六番から十番も弾(ひ)きつづけて倦(う)むことを知らなかったが...
徳田秋声 「縮図」
...何時も同じような記事ばかりで少し倦(あ)き倦きしますね...
豊島与志雄 「囚われ」
...芸術とは云つてみれば人類の倦怠を医する役を持つてゐるといへばいへる...
中原中也 「芸術論覚え書」
...み空をとほく血を吐くやうな倦うさ...
中原中也 「山羊の歌」
...辱(かたじ)けなくも学問最高の府を第一位に卒業して毫(ごう)も倦怠(けんたい)の念なく長州征伐時代の羽織の紐をぶら下げて...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...耐えがたい倦怠と激しい焦燥感が...
久生十蘭 「地底獣国」
...もう話には倦きてしまつた! あなた方はどうお考へかしらんが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...といふより百枚以上書いては削りました! 何といふ無残な仕事! 何たる倦怠! 嗚呼! 芸術! 芸術! 狂犬の如く我々の心に噛みつくこの幻想とは果して何ものでせう...
北條民雄 「頃日雑記」
...遊び倦(あき)てその花を打捨(うっちゃっ)てしまうように...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...体の倦怠(だるさ)...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...少女驚いて耳を欹(そばだ)つればをかしや檐頭(えんとう)の鸚鵡(おうむ)永日に倦(う)んでこの戯(たわむれ)を為すなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...己れが山陽に倦みたる所以(ゆゑん)を陳じて以て澹父の杏坪の計画に反対せむことを望みたるなり」と云ふのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...僕には未(ま)だ翁の近年の作の妙味が十分会(ゑ)得せられないが飽迄(あくまで)も若若(わかわか)しい此(この)翁の心境は例の真夏の花を嗅ぐ様な豊艶多肉な女を倦(う)む色もなく描いて居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...やりきれない倦怠にくるまれる...
吉川英治 「折々の記」
...長陣に倦(う)み...
吉川英治 「三国志」
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