...あらゆる倦怠と閑暇(ひま)を利用して...
池谷信三郎 「橋」
...百日の滞在が倦怠となつたゞけだ...
種田山頭火 「行乞記」
...熱の気配――それらは或るたとへやうもない倦怠と肉体的な不快を呼び起させる何物かによつてみちみちてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...いつまでいじくっていても少しも見倦(みあ)きのしないようなものを拵えたいと思っている...
辻潤 「惰眠洞妄語」
...なんのしめくくりもアクセントもないものでは到底進行の感じはなくただ倦怠(けんたい)と疲労のほか何物をも生ずることはできないであろう...
寺田寅彦 「映画芸術」
...そのとき恐ろしい倦怠がおそって来ないとは...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...われわれは倦むことなしに...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...彼女は自分の苦しい倦怠(けんたい)を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...多少の倦怠(けんたい)...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...唯だ學生として私が先生の教へて倦まざる親切に就て...
中島徳藏 「巽軒先生喜壽の祝辭」
...熱のある人のように身体全体が倦怠(けたる)かった...
夏目漱石 「道草」
...一向聞き倦(あ)きもせずに...
堀辰雄 「雉子日記」
...語彙の概念に捕はれ易い自分は虚無といふ幻想的な非実在の名を以て此深淵を称ふことは出来ないが、其処には総てが否定で、絶望であるといふ、自分の此観照に目醒めて、驚きかつ顫ひをのゝいたとき、更に自分はその死の谷への道を安んじて、恰も生命の門に進むが如く、平然と寧ろあらゆる空しき影に無限の希望を置き、喜びをさへ感じて生きてゐる矛盾を、無頓着を、冷淡を、倦怠を痛感して、此処に改めて自分に対する反抗と、嫌悪の念がむづの走るが如く、心に湧き起つた...
宮原晃一郎 「愛人と厭人」
...極めて勤勉な倦むことを知らぬ役割をもって居るものですから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...興奮・倦怠・無気力・におちいることもあり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...海はもう見倦きてしまったので...
横光利一 「欧洲紀行」
...怖ろしいと思う」「怖ろしいとは」「倦(う)む...
吉川英治 「大谷刑部」
...たちまち厭倦と苦痛とに変ずる直接の享楽によって起こされたのでなかったことに基づくのであろう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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