...さらに倦(う)む気色(けしき)も示さなかった...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...空想文学に対する倦厭(けんえん)の情と...
石川啄木 「弓町より」
...妻は倦(う)み児等も疲れて諸声(もろごゑ)に...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...直線そのものの美しさも旅行者に倦怠を覚えさせない程度のそれであって到るところに快いスムースなカーブがあり...
大阪圭吉 「白妖」
...雑談にも倦んでそれ/″\の寝床へいそぐ...
種田山頭火 「行乞記」
...四月七日曇、憂欝、倦怠、それでも途中行乞しつゝ歩いた、三里あまり来たら、案外早く降りだした、大降りである、痔もいたむので、見つかつた此宿へ飛び込む、楠久、天草屋(二五・中)ずゐぶんうるさい宿だ、子供が多くて貧乏らしい、客間は二階だが、天井もなければ障子もない、せんべいふとんが二三枚あるだけだ(畳だけは畳らしい)、屋根裏のがらんどうにぼつねんとしてゐると、旅愁といふよりも人生の悲哀に近いものを感じる、私はかういふ旅に慣れてゐるから、かういふ宿にかへつて気安さを感じるが(そこをねらつてわざと泊つたのでもあるが)普通の人々――我々の仲間はとても一夜どころか一時間の辛抱も出来まい...
種田山頭火 「行乞記」
...僕の今信じているのはこの気倦るい空気だけだ...
田畑修一郎 「石ころ路」
...文明は彼を倦ませ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...同じものの繰り返しが少しの倦怠(けんたい)を感ぜしめないのみならず...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...或は俺は今の生活に倦怠を……...
豊島与志雄 「過渡人」
...彼女は自分の苦しい倦怠(けんたい)を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...こんな無為と倦怠とではなかったはずだ...
中島敦 「環礁」
...三沢は先刻(さっき)から女の倦怠(だる)そうな立居に気をつけていたので...
夏目漱石 「行人」
...あるいは一書生たるを倦(う)みて百夫の長たらんとするあり...
福沢諭吉 「中元祝酒の記」
...彼にとつて別にあの倦怠極まる空の形を變化さすほど...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...巧緻な樹木の繁りを見せて矢代は倦きなかった...
横光利一 「旅愁」
...人がかりには倦怠を感じて仕様のない状態だ...
横光利一 「旅愁」
...徹底的に飲みまくつて倦むところを知らない...
吉井勇 「青春回顧」
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