...」と申し、私のみならず、私下男足下にも、手をつき候うて、頻(しきり)に頼み入り候へども、人力にては如何とも致し難き儀に候へば、心得違ひ致さざる様、呉れ呉れも、申し諭(さと)し、煎薬三貼(さんでふ)差し置き候上、折からの雨止みを幸(さいはひ)、立ち帰らんと致し候所、篠、私袂(たもと)にすがりつき候うて離れ申さず、何やら申さんとする気色(けしき)にて、唇(くちびる)を動かし候へども、一言も申し果てざる中に、見る見る面色変り、忽(たちまち)、其場に悶絶致し候...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...折々母の頸より手を離し候うて...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...職業のための学問に違いなく学校へ出なければ職業が得られぬように思われ候うところがはずかしく切なく候う...
伊藤左千夫 「廃める」
...養生しろと申され候う...
伊藤左千夫 「廃める」
...先生のお手紙を見ると先生は僕の意味するところからいっそう高い事について話し被下候(くだされそうろ)うゆえついに僕の心も開かれてしまい候う...
伊藤左千夫 「廃める」
...一昨夜なども徹夜していはゆる事宜を弁理候始末ほとほと閉口致(いたし)候うちに自ら一種のおもしろみさすがになきにしもあらず...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...山北辺より雪降り候うて...
田山花袋 「蒲団」
...学校を初め御改政の諸事愚存御座候えども政府の御基本相立ち候うえ御取興(とりおこ)しのことと存じ奉り候...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...遠近より馬市に来たる者群り候うち...
中里介山 「大菩薩峠」
...「心得て候う」と...
吉川英治 「三国志」
...くれぐれも大事をとって仕損じるなかれ――とのおことばでありまする」「かしこまって候う」謹んで答えたが...
吉川英治 「三国志」
...……帝は殺害(あやめ)まいらせて候う...
吉川英治 「私本太平記」
...心得て候う――とばかり高木九助は勇躍して城のほうへ走り出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...尻餅をお搗(つ)きなされ候う程ぞ...
吉川英治 「新書太閤記」
...徐々南進中に候う」また...
吉川英治 「新書太閤記」
...なお続々南下中に相見え候う)これらの報告を綜合して...
吉川英治 「新書太閤記」
...この河内にて候う...
吉川英治 「新書太閤記」
...――生きて生きて生きぬかん所存にてありしにて候う...
吉川英治 「新書太閤記」
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