...倏忽として天に帰れり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...倏忽(たちまち)にして巨星(きよせい)天(てん)に在(あ)り...
泉鏡花 「芥川龍之介氏を弔ふ」
...倏忽往来莫レ可二踪跡一...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...あたかも彗星の如く不思議の光芒(こうぼう)を残しつつ倏忽(しゅっこつ)として去ってしまった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...天色(てんしよく)倏急(にはか)に変(かは)り黒雲(くろくも)空(そら)に覆(おほ)ひければ(是雪中の常也)夫(をつと)空(そら)を見て大に驚怖(おどろき)...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...倏忽(しゅっこつ)に時は過ぎ行く秋の雨昭和八年十月八日 田園調布...
高浜虚子 「五百句」
...倏忽(たちまち)の中にむら/\と湧(わ)き起(た)った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...沼の水も林も倏忽(たちまち)の中に翳(かげ)つたり...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...民党の推挽に依て衆議院議長の椅子を得たりき然るに彼れは倏忽手を翻へして復た改進党を攻撃し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...然りと雖雲は風に從ひて變化倏忽來るに當りては...
長塚節 「草津行」
...降りては倏ちに晴れ...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...倏忽(しゆつこつ)とわれを去る熱氣が...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...倏忽(たちどころ)に想をのせて走る貴(とうと)い指さきは...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...パリス 青い入江を行き過ぐる倏忽(しゅっこつ)の白帆のかげに美を覚り……...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...専攻斯学願樹功、微躯聊期報国忠、人間万事不如意、一身長在轗軻中、泰西頼見義侠人、憐我衷情傾意待、故国難去幾踟、決然欲遠航西海、一夜風急雨※※、義人溘焉逝不還、倏忽長隔幽明路、天外伝訃涙潸潸、生前不逢音容絶、胸中欝勃向誰説、天地茫茫知己無、今対遺影感転切明治廿四年十月遂に上の図篇が第十一集に達し、これを発行した時、私の郷里土佐国佐川町に残してあった我が家(酒造家)の始末をつけねばならぬ事が起ったので、仕方なく右の出版事業をそのまま擲って置て、匆々東京を出発する用意をし、間も無く再び東京へ出て来るから、今度出て来たが最後、大いに矢田部に対抗して奮闘すべく意気込んで国へ帰った...
牧野富太郎 「植物記」
...終りは吟声(ぎんせい)となり放歌となり都々逸(どどいつ)端唄(はうた)謡曲仮声(こわいろ)片々(へんぺん)寸々(すんずん)又継又続倏忽(しゅっこつ)変化自(みずか)ら測る能はず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...狭い露路は倏忽(たちまち)黒山のようになった...
松本泰 「日蔭の街」
...倏忽(たちまち)真暗になって了った...
松本泰 「緑衣の女」
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