...數知れぬ倍音と融け合つて根強い響を發することもなく...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...その大きさ欧州各国にあるものに幾倍せるを知らず...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...犬よりも最う一倍酷愛していたのは猫であった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...3の倍數である謎の數字(すなはち除數の十位の數)は何か...
佐野昌一 「虫喰ひ算大會」
...幾層倍も気味悪く...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...人間の倍もある金色の仏像の前に...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...多摩川の此方の分倍河原...
大町桂月 「東京の近郊」
...それをこの非常時に於て日頃に倍する勤勉と熱心に依つて示せ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...照ちやんが臥(ふせ)つてしまつてから春三郎は一倍の苦痛を感じた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...本気で云うたらこの手紙の十倍も二十倍もの長い手紙書いたかて足りない位に思いますけど...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...作家は皆々一倍多く『人間苦』に苦んでゐる...
田山録弥 「小説新論」
...そうしてその筆の穂を五倍子箱(ふしばこ)の中の五倍子(ふし)の粉の中に突っ込んで粉を充分に含ませておいて口中に運ぶ...
寺田寅彦 「自由画稿」
...髪を普通の倍以上長くしている...
夏目漱石 「三四郎」
...安倍誠之助は口ごもった...
本庄陸男 「石狩川」
...アメリカ奥地の植民地の住民は十五年にしてその数を倍加するように思われる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...勇気はそれだけでも百倍する...
吉川英治 「三国志」
...にわかに何倍にも殖(ふ)えたとか...
吉川英治 「新書太閤記」
...現在の所蔵主へ移るまでには、なおそれから幾人もの手を転々して、価格も数倍、数十倍に昂騰して行ったに違いなかろうが、さるにても国宝級のものが、つい十七、八年前までは、そんな境遇にあったということが、何かおもしろく思い出されるのである...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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