...あらゆる文学の中でも最も著しく個々の能知者たる作者が所知者たる対象の中に没入して現われて来るのは詩歌ことに抒情的なそれである...
寺田寅彦 「文学の中の科学的要素」
...大量にある個々の事象からひとつひとつ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「サセックスの吸血鬼」
...それ故形態は一般的形式からも個々内容の単なる性格からも決定されることが出来ない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...関数とはその微分係数が個々の切線の方向を与え得るような一般者である...
戸坂潤 「科学方法論」
...機械論的に孤立した個々の現象の存在と認識とが物理学的に無意味であって...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...個々の出来事を一つ一つ記憶している必要はなくなるのである...
中島敦 「悟浄歎異」
...個々の色はかなり似たような色が出るのでそれに力を得て...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...それで個々の粒子が丸くならないように粉を摩り潰すことが必要になるのであるが...
中谷宇吉郎 「霜柱と白粉の話」
...人々個々(にんにんここ)おのおの特別の個性をもってるから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...個々の割合に比例して反復できるだけである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...個々の農業者は、どれだけの穀物を他の州の同業農業者が播種するは、知り得ない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...外の飾り窓に個々の見本として展覧してあるものが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...然しそれが單に個々のもの以上の或るものを意味するならば...
三木清 「歴史哲學」
...日本の作家はこれまであまり個々の才能を過大に評価しすぎたし...
宮本百合子 「ある回想から」
...個々の人にも行きわたつてゐる筈である...
森鴎外 「古い手帳から」
...それは個々別々にいずれ劣らず腐っている幾多の部分の結合であった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...個々に営んでいるのが多いことである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...筋を運ぶ説明によって連絡せられたこれらの個々の情景である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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