...旧式の束髪(そくはつ)を俯向(うつむ)けたかげに絹の手巾(はんけち)を顔に当てた器量好(きりょうよ)しの娘さんである...
芥川龍之介 「文章」
...技師は真俯向(まうつむ)けに...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...向うのテイブルに俯(うつ)ぶした儘(まゝ)...
鈴木三重吉 「桑の実」
...けさのやうに雪の上に俯伏していらしたら...
太宰治 「お伽草紙」
...秀英は俯向いたなりに微に笑った...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...軸物の大俯瞰圖のする/\と解けて落ちる樣に...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...どんなに嬉しいかしれはしないが――」母親は真っ紅になって差し俯向(うつむ)くお静を振返って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その中に俯伏(うつぶ)せに崩折れているではありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...眼にみえざる動揺の一線は俯伏(うつぶ)しに倒れている人を越えて...
アンブローズ・ビヤース Ambrose Bierce 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...すこし谷のように窪んだところにまっ黒に焦げた吉兵衛の死骸が俯伏(うつぶ)せになっている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...一体どこへ行ったんだい」山木は顎を顫わせて俯向いていたが...
久生十蘭 「魔都」
...山腹を電光形に走る作業道路を俯仰した...
細井吉造 「二つの松川」
...ひどいめにあわせたぜ本当に」「――ごめんなさい」おなつは耳まで赧(あか)くなって俯向(うつむ)く...
山本周五郎 「契りきぬ」
...少し蒼(あお)ざめた顔を俯向け...
山本周五郎 「日本婦道記」
...いったん馬のたてがみに俯(う)っ伏して脇腹を抑えているかのように見えた光秀は...
吉川英治 「新書太閤記」
...俯(う)ッ伏(ぷ)せた額(ひたい)をあげて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...上野介は俯(う)ツ伏せに倒れた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...俯向(うつむ)いたまま...
吉川英治 「宮本武蔵」
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