...俯向(うつむ)けていた地薄な角刈(かくがり)の頭を擡(もた)げて...
泉鏡花 「浮舟」
...何故(なぜ)其(その)短刀で其男を刺殺さなかった?」彼は俯(うつむ)いた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...これが、わしの、斉彬の孝心を、亡き後にも、完うさせるものだと、思うているが、何ういうものかの」伊勢は、黙って、俯向いておる、二人の心が、自分の説に同意していないのを、よく知っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...十字街に弾丸にうち散らばらされている群衆を俯瞰した十月革命の一スナップに...
中井正一 「美学入門」
...駒井能登守は柱に凭(もた)れ腕組みをして俯向(うつむ)いていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...俯向(うつむ)いてほのかに笑うと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お北はハツとした樣子で顏を染めて俯向(うつむ)きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...机に頭をのせて俯伏(うつぶせ)に仆れて居る清三の姿が見られました...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...存分に打ち据えろ」お糸の方は顔を俯向(うつむ)けていたが...
久生十蘭 「鈴木主水」
...耻(はず)かしそうに俯向(うつむ)きは俯向きながら...
二葉亭四迷 「浮雲」
...身体の続く限りやるだけの事はやった後でブッ倒れたのですから(入院の時軍医さんの前で文字通りヘタヘタと倒れました)俯仰天地に恥じません...
山中貞雄 「陣中日誌(遺稿)」
...……」「金を持たせてやったのだな」幸子はもういちどはいと云って俯向(うつむ)いた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...やや俯向き加減のなだらかな上体が...
横光利一 「旅愁」
...天下の俯瞰図(ふかんず)だ...
吉川英治 「私本太平記」
...そちひとりのものではない」「勿体ないおことばです」半兵衛は肩を落して俯向(うつむ)いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...ことに姫はうつ向いたきりといってよいほど顔を斜めに俯伏(うつぶ)せている...
吉川英治 「親鸞」
...俯向(うつむ)いている彼を見つめて...
吉川英治 「親鸞」
...歩いてみるとわかる」「…………」武蔵は俯向(うつむ)いていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??