...更紗(さらさ)の小(ちひ)さな信玄袋(しんげんぶくろ)を座蒲團(ざぶとん)の傍(そば)へ持出(もちだ)して...   
泉鏡太郎  「大阪まで」 
...膝(ひざ)に乘(の)せた信玄袋(しんげんぶくろ)の名(な)ゆゑである...   
泉鏡太郎  「大阪まで」 
...帯や何かを信玄袋に入れて明日帰つて来るまでと言つてそこの爺に頼んだり...   
田山録弥  「山間の旅舎」 
...午頃(ひるごろ)に荷物が着いて、大きな支那鞄(しなかばん)、柳行李(やなぎごうり)、信玄袋、本箱、机、夜具、これを二階に運ぶのには中々骨が折れる...   
田山花袋  「蒲団」 
...信玄袋を車夫は運んで車に乗せた...   
田山花袋  「蒲団」 
...よく来たのね」三の二「今日はどんな?」藤色(ふじいろ)縮緬(ちりめん)のおこそ頭巾(ずきん)とともに信玄袋をわきへ押しやり...   
徳冨蘆花  「小説 不如帰」 
...汽車の中で森成(もりなり)さんが枕元(まくらもと)の信玄袋(しんげんぶくろ)の口に挿(さ)し込んでくれた大きな野菊の枝は...   
夏目漱石  「思い出す事など」 
...彼女は信玄袋の中から天鵞絨(びろうど)で張った四角な箱を出した...   
夏目漱石  「行人」 
...さっさと信玄袋を引き摺(ず)って次の間へ行ってしまった...   
夏目漱石  「行人」 
...東京行きの信玄袋をこしらえている私の後から言った...   
林芙美子  「新版 放浪記」 
...信玄袋をとれば鏡をみつめ出すにわかっています...   
林芙美子  「新版 放浪記」 
...急な裏梯子(うらばしこ)から信玄袋をかついで二階の女給部屋に上って行った...   
林芙美子  「新版 放浪記」 
...今日こそ十二社に歩いて行こう――そうしてお父さんやお母さんの様子を見てこなくちゃあ……私はお隣りの信玄袋に凭れている大学生に声を掛けた...   
林芙美子  「放浪記(初出)」 
...手近に置くべきもの丈を入れた信玄袋(しんげんぶくろ)は自分で持つて行く...   
平出修  「計畫」 
...彼女は手間をかけて信玄袋の口をあけ...   
宮本百合子  「秋の反射」 
...やがて震える手で傍(かたわら)の大きな信玄袋の口を拡げて...   
夢野久作  「いなか、の、じけん」 
...信玄袋を探し当てて出て行く乞食爺の姿を見かえりもせずに...   
夢野久作  「いなか、の、じけん」 
...ぼくの足元の大きな信玄袋は消えて失くなっていた...   
吉川英治  「忘れ残りの記」 
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