...研究学派の存在と相俟って研究材料の存在が三十種の一切経保存と無数の註解末書の存在によって立証されたのであります...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...俟(ま)って下さい」という...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...併し材料の処理――それが分析である――は意識の支配を俟ってはならない...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...前に云った観念の通俗性と相俟って...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...万人各自の自覚を俟って得らるるものである...
豊島与志雄 「文学精神は言う」
...それらの感情は新しい画工のいわば稚気(ちき)を帯びた新画風と古めかしい木板摺の技術と相俟(あいま)って遺憾なく紙面に躍如としている...
永井荷風 「日和下駄」
...しかし北斎及びその門人昇亭北寿(しょうていほくじゅ)また一立斎広重(いちりゅうさいひろしげ)らの古版画は今日なお東京と富士山との絵画的関係を尋ぬるものに取っては絶好の案内たるやいうを俟(ま)たない...
永井荷風 「日和下駄」
...大きいお嬢様の関子様でいらっしゃいます」「…………」老執事の取なし顔な言葉を俟(ま)つまでもなく...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...敢て故老を俟(ま)つまでもなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しかしそれが感性的直觀に關して成立し得るといふことは構想力の媒介を俟つて初めて可能である」(Kr. d. r. V. A 124)...
三木清 「論理と直觀」
...酒でも買つて俟(ま)つて居てくれ」と立上らうとする...
三木竹二 「いがみの権太」
...われがここに来るを俟(ま)ってその在り処を妻子に告げしむるよう謀らい置いたのだ...
南方熊楠 「易の占いして金取り出だしたること」
...支那の原産でないは論を俟たず...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...」「庭で俟っているの...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...双方相俟(あいま)って...
夢野久作 「能とは何か」
...自分を俟(ま)つかは――信雄として決して安易なここちではあり得ない...
吉川英治 「新書太閤記」
...中世の社会組織の崩壊の気運と相俟って...
和辻哲郎 「鎖国」
...大火への無理解と相俟(ま)って...
和辻哲郎 「地異印象記」
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