...婦人との共力に俟(ま)つものが甚(はなは)だ大であると思う...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...人の捕(とらふ)るを俟(まつ)がごとし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...「そんなに何時(いつ)までも何時までも俺(わし)の援助(たすけ)に俟(ま)たなければならないやうなものなら...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...また上代文化の面影がそこに認められることと相俟(あいま)って...
津田左右吉 「日本精神について」
...典型としてのこの資格は物理学に於ける科学的世界と精密性とが相俟って与えたものであることを吾々は向に見た...
戸坂潤 「科学方法論」
...哲学を俟たずに発達・通用し得るものと考えられた...
戸坂潤 「辞典」
...法律学解釈専門家の合理化的解釈を俟つほかない...
戸坂潤 「社会時評」
...すべて今後に俟たねばならなかった...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...この三拍子が遺憾なく打揃(うちそろ)うという事は人生容易に遇(あ)いがたい偶然の機を俟(ま)たねばならぬ...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...然し松方山本二氏の姓名の永くわが文化史上に記録せられべきものたることは言うを俟(ま)たない...
永井荷風 「帝国劇場のオペラ」
...しかし北斎及びその門人昇亭北寿(しょうていほくじゅ)また一立斎広重(いちりゅうさいひろしげ)らの古版画は今日なお東京と富士山との絵画的関係を尋ぬるものに取っては絶好の案内たるやいうを俟(ま)たない...
永井荷風 「日和下駄」
...今後の研究に俟(ま)たなければなりませぬが...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...かかる現在は客體面において又客體間の聯關を通じて自己を表現する主體を俟つてはじめて成立する...
波多野精一 「時と永遠」
...従来その国に行なわれたる政治の仕組みをひとたび覆(くつが)えすはもとより論を俟(ま)たず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...時代の精神と相俟って互いに争わなければならぬことになったのである...
三上義夫 「和算の社会的・芸術的特性について」
...西洋通諸君の高教を俟(ま)つ...
南方熊楠 「十二支考」
...ちょっと俟(ま)ってておじさま...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...釉薬の厚みと相俟ち限りなき潤いを示す...
柳宗悦 「工藝の道」
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