...この封建制の保護の下に存在した特權階級たる私の生家の威光も漸く衰へ始めました...
石川三四郎 「浪」
...たとい余は理論上確実なるにもせよ余の先輩と説を同うせずその指揮に従わざれば余はその保護の下(した)に置かれざるは決して怪むべきにあらざるなり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...(明治四十年十月二十八日『東京朝日新聞』)二十八癌腫(がんしゅ)の研究英国では帝室の保護の下に癌の研究のみをやっている所がある...
寺田寅彦 「話の種」
...自活の方が友達の保護の下(もと)に立つより遥(はるか)に快よく思われたのでしょう...
夏目漱石 「こころ」
...現に科学者哲学者などは直接世間と取引しては食って行けないからたいていは政府の保護の下に大学教授とか何とかいう役になってやっと露命をつないでいる...
夏目漱石 「道楽と職業」
...いつもその群集の保護の下にあれよ...
萩原朔太郎 「都會と田舍」
...理性の保護の下に避難することを余儀なくされ...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...何處にこの殘骸の不幸な主人はゐたのか? 何處の土地に? 何の保護の下に? 私の眼は我知らず門の傍にある灰色の教會堂の塔の方へ向いて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...一人の夭折した少女の名と保護の下において...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「ドゥイノ悲歌」
...武装した一隊の騎馬巡査の保護の下に...
牧逸馬 「双面獣」
...2)Id. p. 327.3)Id. p. 319, 320, 321.この種族がロシアの保護の下に投じて来た時は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...世間並の保護の下(もと)に立っているが...
森鴎外 「雁」
...此舟は友信が保護の下に...
森鴎外 「栗山大膳」
...その後代々の眞志屋は水戸家の特別保護の下にある...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...またそれは黙秘の保護の下に置かれている行為であって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...家来と農夫とを手近くその保護の下に置いたことである...
柳田國男 「地名の研究」
...難民どももことごとく御保護の下におひき取りねがいたい...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただ「会堂と宣教師とは領主の保護の下にあるのであるから...
和辻哲郎 「鎖国」
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