...手拭(てぬぐひ)を襷(たすき)に効々(かひ/″\)しく袂(たもと)を絞つて台所で俎板(まないた)を洗つてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...それをあえて修飾することなくそのままに投げ出して一つの「実験ノート」として読者の俎上(そじょう)に供する次第である...
寺田寅彦 「科学と文学」
...俎上の鯉となりましょう...
豊島与志雄 「無法者」
...故郷では俎板へ鼻緒をすげたやうな「ナンバ」といふものを穿かなければ刈れないやうな深田もあるが...
長塚節 「芋掘り」
...俎板の上の赤ん坊は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私の娘と俎橋(まないたばし)の邊で逢つて居たさうで――」「そんな事だらう」「それに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...俎橋の大吉親分が手柄にするのは構わないが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...此外こしかけ岩俎板岩釜岩硯岩烏帽子岩抔申なりといと殊勝げにぞしやべりける...
正岡子規 「かけはしの記」
...そのこちらの大きな大きな俎(まないた)のまわりには...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...『酉陽雑俎』十六に...
南方熊楠 「十二支考」
...『五雑俎』等に多く見ゆ...
南方熊楠 「十二支考」
...枕近く来りて眠りを驚かすはいかなる心ならんと思うほどに、『五雑俎』に、占書に狼恭し鼠拱すれば主の大吉といえりという条に、近時の一名公早朝靴を穿(うが)たんとするに、すでに一足を陥れて鼠あり、人のごとく立ちて拱す、再三叱れども退かず、公怒り一靴を取りてこれに投ぐるに、中に巨(き)尺余なるありて墜(お)ちたり、鼠すなわち見えず、憎むべきの物を以てまた能く人のために患を防ぐは怪しむべしとあるを思い出で、もしさる事もやと衾(ふすま)を(かか)げ見れば糸(いと)大いなる蜈蚣(むかで)の傴(くぐ)まりいたりければすなわち取りて捨てつ...
南方熊楠 「十二支考」
......
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...弘前俎林(まないたばやし)の山林地が渋江氏に割与せられたのみである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...俎板(まないた)を削ったり...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...われここに子を持てり」彼は俎(まないた)の上に大の字になって横(よこたわ)ったように...
横光利一 「比叡」
...島にかかった俎形の石橋が美しく...
横光利一 「夜の靴」
...俎岩(まないたいわ)の上につっ立った軍師(ぐんし)民部(みんぶ)は...
吉川英治 「神州天馬侠」
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