...壮(わか)い男が松明(たいまつ)を点(つ)けてその明(あかり)を俎(まないた)の上におとしていた...
田中貢太郎 「岩魚の怪」
...牛肉屋の俎板(まないた)のような大きなデスクが頑張っている...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...とっつかまえて俎(まないた)にのぼす――その落着くべき筋道が幾筋もあるということを...
中里介山 「大菩薩峠」
...俎下駄を捩(ねじ)る間際(まぎわ)には...
夏目漱石 「坑夫」
...よく持つじゃないか」と行徳の俎を無理にねじ伏せる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...俎(まないた)の上の赤ん坊は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...俎橋の大吉親分が手柄にするのは構わないが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...俎板(まないた)の上で首を切られても...
林芙美子 「河沙魚」
...病人をば俎(まないた)のような台の上に寝かして...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...『酉陽雑俎』三に...
南方熊楠 「十二支考」
...『酉陽雑俎』十五に...
南方熊楠 「十二支考」
...愚俗これを信じて子孫を天師と崇(あが)めた(『五雑俎』八)...
南方熊楠 「十二支考」
...枕近く来りて眠りを驚かすはいかなる心ならんと思うほどに、『五雑俎』に、占書に狼恭し鼠拱すれば主の大吉といえりという条に、近時の一名公早朝靴を穿(うが)たんとするに、すでに一足を陥れて鼠あり、人のごとく立ちて拱す、再三叱れども退かず、公怒り一靴を取りてこれに投ぐるに、中に巨(き)尺余なるありて墜(お)ちたり、鼠すなわち見えず、憎むべきの物を以てまた能く人のために患を防ぐは怪しむべしとあるを思い出で、もしさる事もやと衾(ふすま)を(かか)げ見れば糸(いと)大いなる蜈蚣(むかで)の傴(くぐ)まりいたりければすなわち取りて捨てつ...
南方熊楠 「十二支考」
...その後(のち)『五雑俎』に象は鼠を畏(おそ)るとあるを読んだ...
南方熊楠 「十二支考」
...弘前俎林(まないたばやし)の山林地が渋江氏に割与せられたのみである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...木戸口に俎板(まないた)大の駒下駄と畳一畳ぐらいの大かごを飾り...
山本笑月 「明治世相百話」
...また俎板に残った臓腑は白子...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...一尺ほどの長さに切った茎を大きな俎(まないた)の上で叩き潰しては...
横光利一 「夜の靴」
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