...彼女は俄然勉強に打ち込んでいる...
...この映画は俄然面白かった...
...彼のビジネスの方針には、俄然賛同できるものがある...
...俄然彼のファンになった...
...彼は俄然取り掛かって、すぐに仕事を完成させた...
...わが防護団は俄然(がぜん)強くなった...
海野十三 「空襲警報」
...しかし以前の監視哨の報告三種を合わせて、敵軍は日本海方面に引揚を開始していることは、明瞭であります」「確証がつかないのに、司令官として、解除警報を出すわけにはゆかぬ」「どうあっても?」「くどい、参謀長!」俄然、司令部の広間は、殺気立(さっきだ)った...
海野十三 「空襲葬送曲」
...俄然鼠の立ち騒ぐ音がしはじめた...
海野十三 「軍用鼠」
...俄然(がぜん)、この効目はあった...
海野十三 「地球要塞」
...俄然(がぜん)猖獗(しょうけつ)を極(きわ)めた...
海野十三 「什器破壊業事件」
...かれの態度が俄然(がぜん)かわった...
太宰治 「ろまん燈籠」
...稚児サン騒ぎなぞ気(おくび)にも出さなくなった今に至って私一人は俄然(がぜん)として稚児サンのよさに覚醒(めざ)め...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...一定の量を超過すると俄然怪しくなるのである...
谷崎潤一郎 「鍵」
...へえ、持って来ました、と答えると、実は、いよいよ先達来から問題になっていた糞尿汲取事業が市営となる時期が切迫して来た、先般の歎願書問題以来、俄然、輿論が沸騰(ふっとう)して来たために、市当局としてこれを市営に統制せざるを得ない機運に向いて来た、そうとなれば、いよいよ、買収ということになる訳だ、そこで、今度は我々の問題だが、いよいよ買収となれば、その権利というものを確然としておかねばならん、その意味で衛生舎はその権利を是非公正を踏んで決定しておく必要がある、そこで従来の経緯(いきさつ)や経済関係を種々考慮し、いろいろと研究の結果、ここに公正証書を作製した、市営買収の件は明日にも決定実施の情勢にあるので、早速、公正を踏まねばならん、赤瀬氏とも相談し、意見も一致したのだから、これに捺印して貰いたいのだ...
火野葦平 「糞尿譚」
...俄然として一声強くはげしい電鈴が鳴りひびいた...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...浪花節が好きと聞いて、惚れた女も、俄然、興ざめして寝返りをうつたものだ」とあるのを見れば、事実ブラリ/\といそがれる」式の支離滅裂な文句を並べ立ててゐた連中が多かつた当時だから、ごく一部の愛好者を除いては車夫馬丁以上のものの聴くものでないとされたのも当然だつたかもしれない...
正岡容 「大正東京錦絵」
...俄然、ミサ子は家出して了った...
松永延造 「職工と微笑」
...俄然(がぜん)、彼氏の縋(すが)った岩角がもろくも砕けて吁(ああ)っと思う間もなく、足を踏みはずしてしまった...
百瀬慎太郎 「案内人風景」
...爾来和紙の新しい気運は俄然として...
柳宗悦 「和紙十年」
...十七俄然...
吉川英治 「日本名婦伝」
...俄然山手屯所の巡査や探偵たちは...
吉川英治 「旗岡巡査」
...そのうちに柑子坂(こうじざか)の急勾配(きゅうこうばい)へ上からかかると、俄然、「助けてくれえッ」とまた変って、逆落しに駈けてゆく馬の背中で、彼の体は鞠(まり)みたいに弾(はず)み出し、いよいよここらで、大地へたたき捨てられてゆくのがオチであろうと思われた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その体験から割り出しても、大人のお通が泣いたり沈んだりしている平常(ふだん)の様子は、彼にはただ不可解で、おかしくって、擽(くす)ぐったくて、理解も同情も持てなかったが、今、武蔵の胸へすがって泣いている者が、そのお通でなくて、朱実という案外な女性であったことを眼で見ると、城太郎の分別は、俄然、憤りに似たものを持って、(なんだ、あんな女)と、お通の肩をもち、(お師匠様もお師匠様だ)わがことのように腹を立てて、その結果が、(お通さんは何してるんだろ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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