...俄かに荒れはてた樣な氣がする...
石川啄木 「鳥影」
...楠野君は俄かに思出したと云ツた樣に...
石川啄木 「漂泊」
...お鳥のゐるのを見て俄かに荒々しい調子をやはらげて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...妾は俄かに胸のワクワクするのを覚えた...
海野十三 「三人の双生児」
...大奥様は文夫様と聞いて始めて俄かにお強くおなりになりました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...またもや俄かに変身の先触れであるあの言うに言われぬ感じにおそわれた...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...すると、彼女は、この私の説を逆証すべく、俄かに努力した...
谷譲次 「踊る地平線」
...俄かにガタガタ顫え出しながら...
谷崎潤一郎 「少年」
...下りてみたら俄かに二人共お腹減って来ましたのんで...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...「ちょっと、行ってくる」金五郎が、日本刀を借りに来たことが、俄かに、ぴいんと頭にひびいて、新之助は、心の中で、(しまった)と、叫んでいた...
火野葦平 「花と龍」
...広島へ帰って来ようか知らん?」俄かに...
火野葦平 「花と龍」
...俄かに追い詰められた野獣のような眼になって腰を浮かしながら狂的に室内を見廻したが...
牧逸馬 「双面獣」
...ジヨバンニは俄かに何とも云へずかなしい氣がして...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...本当の噛合いは観覧物として相成らぬと俄かに厳命...
山本笑月 「明治世相百話」
...少しの手柄あれば俄かに慈(いつく)しみ...
夢野久作 「白くれない」
...物好きの心俄かに高まり来りて止み難くなりつ...
夢野久作 「白くれない」
...俄かに心弱り給へるは...
夢野久作 「白くれない」
...夕方より俄かに蒙古風が烈しく吹いたが...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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