...殿さまといふ人二人までに思はれる程の手古奈はさすがに氣位の高きものと俄かに心から敬ひの念を起して...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...また俄かに気の毒の感の為めにくだらない妥協をする幼稚な癖があるのです...
伊藤野枝 「S先生に」
...俄かに赤い血がかッとのぼってきた...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...不思議な殺人事件として警視庁内は俄かに緊張した...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
...俄かに公卿から海から獲れた珍しい物を贈ってきた...
田中貢太郎 「続黄梁」
...』俄かに平公は不安心になつて來た...
田山花袋 「歸國」
...中之町の通りは俄かに方角の替りしやうに思はれて...
樋口一葉 「たけくらべ」
...部屋部屋は俄かに活気づく...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...これまでは懶(ものう)くばかり観じていた世の中が俄かに面白くなり...
久生十蘭 「湖畔」
...ひるすぎから俄かに僕たちがやり出したんだ...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...俄かに腹立たしさが込み上げて来た...
横光利一 「旅愁」
...人夫達の足が俄かに早くなつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...三年前に俄かに出来たその湖水は...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...この船の俄かにぢつと靜まつたのと好い對照であつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...答えると相手は俄かに嗜眠(しみん)状態の神経をゆりさまして...
吉川英治 「江戸三国志」
...俄かに冷たい風が吹きつのって来た...
吉川英治 「剣難女難」
...こんがらの太刀は俄かに鋭くなったが...
吉川英治 「剣難女難」
...俄かに気色を持ち直して...
吉川英治 「新書太閤記」
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