...四十六彼の姉の夫の自殺は俄かに彼を打ちのめした...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...眼を圓くして驚く松太郎の顏を見ると俄かに氣を變へて...
石川啄木 「赤痢」
...俄かに笑顔を引込め...
海野十三 「雷」
...天日は俄かに暗くなった...
海野十三 「空襲葬送曲」
...大奥様は文夫様と聞いて始めて俄かにお強くおなりになりました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...俄かに仏事を行はしめ給ふ...
太宰治 「右大臣実朝」
...俄かに公卿から海から獲れた珍しい物を贈ってきた...
田中貢太郎 「続黄梁」
...焚火の前に来ると俄かに紅らみ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...その時今年七十三になるといふその老主人が俄かに膝を乗り出して...
田山録弥 「島の唄」
...彼にケースを渡しながら彼女は俄かにはしゃぎ立った...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...何故かそれは自分にとつて売つてはならぬ意味のある物のやうに俄かに思はれてきたのであつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...鐘が俄かに鳴り出し...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...時次郎は、俄かに、言葉をうしない、首を深くたれて、うつむいた...
火野葦平 「花と龍」
...待ちくたびれていた伝馬船内に、俄かに、活気がみなぎって来た...
火野葦平 「花と龍」
...角助は、艫(とも)に突っ立つと、俄かに、虚勢を張り、胸を反(そ)りくりかえして、「永田組の野郎どもを、たたんでしまえ」と、絶叫した...
火野葦平 「花と龍」
......
堀辰雄 「伊勢物語など」
...俄かに剣のある顔をして...
水野葉舟 「香油」
...わが屋根に俄かに降れる夜の雨の音のたぬしも寝ざめて聴けばあららかにわがたましひを打つごときこの夜の雨を聴けばなほ降る雨はよく疲れた者を慰むる...
若山牧水 「なまけ者と雨」
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