...まずこの子を捨てた訳を話して聞かすように促しました...
芥川龍之介 「捨児」
...葉子はこうしたさびしさに促されて...
有島武郎 「或る女」
...石段の下あたりで、緑に包まれた夫人の姿は、色も一際鮮麗(あざやか)で、青葉越に緋鯉(ひごい)の躍る池の水に、影も映りそうに彳(たたず)んだが、手巾(ハンケチ)を振って、促がして、茶店から引張り寄せた早瀬に、「可い加減になさいよ、極(きま)りが悪いじゃありませんか...
泉鏡花 「婦系図」
...この機逸すべからずと彼を促したてた者さえあった――軍法会議に付して...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...丁度牛が馬鹿囃しの響きに促されて...
谷崎潤一郎 「幇間」
...この歴史的社会の運動を促進する代りに...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...誠意誠心を以てこゝに謹で閣下の處決を促がすの公開状を與ふ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...催促にきていた本社の××女史に「御覧なさい」と...
直木三十五 「死までを語る」
...されば本業の小説も近頃は廃絶の形にて本屋よりの催促断りやうも無之(これなき)まま一字金一円と大きく吹掛(ふっか)けをり候ものゝ実は少々老先(おいさき)心細くこれではならぬと時には額(ひたい)に八の字よせながら机に向つて見る事も有之候へども一...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...おつぎは餘儀(よぎ)なくされつゝ生活(せいくわつ)の壓迫(あつぱく)に對(たい)する抵抗力(ていかうりよく)を促進(そくしん)した...
長塚節 「土」
...もう御膳(おぜん)を下げたら好かろう」と細君を促(うな)がして...
夏目漱石 「門」
...と注意を促して居る様でしたが...
西尾正 「陳情書」
...感に堪へて居る平次を促(うなが)しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...腹の減つてゐるらしい八五郎を促(うなが)し立てゝ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...退出を早くするようにとしきりに催促をしてきた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...坂本に「打ちませうか/\」と催促した...
森鴎外 「大塩平八郎」
...――」と勘解由が促した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「あっ」と、徐晃は歓び勇んで、「お先へ、お先へ」と、御車を促した...
吉川英治 「三国志」
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