...大王もさこそ待ち侘びて在(おわ)さんに...
巌谷小波 「こがね丸」
...私は侘びしくその音を聞いていた...
梅崎春生 「桜島」
...侘びしい明るさを拾いながら...
梅崎春生 「風宴」
...私を待ち侘び顔だった...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...と泣きたいほど侘びしく...
太宰治 「皮膚と心」
...侘びしさ堪えがたくなって...
太宰治 「皮膚と心」
...それが即ち「侘び」なのである...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...侘びが生活の中から泌(にじ)み出し...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...「侘び」とは、前にも他の句解で述べた通り、人間生活の寂しさや悲しさを、主観の心境の底で噛(か)みしめながら、これを対照の自然に映して、そこに或る沁々(しみじみ)とした心の家郷を見出すことである...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...芭蕉の俳句にも「侘び」がある...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...靜寂の侘びに住んで人生の底を探ぐるといふ風な文學は西洋にない...
萩原朔太郎 「詩に告別した室生犀星君へ」
...じりじりと待ち侘びながらも...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...妹とふたり侘び住んでゐる浪人宝生栄之丞宅の格子戸の前へ...
正岡容 「吉原百人斬」
...「ひとりしていかにせましと侘びつればそよとも前の荻ぞこたふる...
室生犀星 「荻吹く歌」
...毎日眺めてゐる山山の景色にも痩せた皺や襞をもの侘びしく眺めた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...こんな色道は枯れ侘びてなお余燈に対(むか)うようで...
室生犀星 「庭をつくる人」
...その後は、侘びられつつも、華雲殿このかた、拝面の機もめぐまれず、遺憾しごく...
吉川英治 「私本太平記」
...望みがありませんや」とセルゲイは悲しげにまた侘びしげにかぶりを振りながら答えた...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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