...直(ただち)に互いの胸中にある例の卵に至大な養分を給与する...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...前に引し明月記の寒氷(かんひやう)は朝庭よりの古例(これい)の賜(たまもの)にはあるべからず...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...みのるには例の惡るい癖がもう初まつてゐた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...例えば悪趣味で人を呼ぶ都会の料理屋の造り庭の全く無意味なこけおどしの石燈籠などよりも...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...そういう時はたいていきまって著しい不連続線が日本海を縦断して次第に本州に迫って来る際であって同時に全国いったいに気温が急に高まって来るのが通例である...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...即ち牽引の度は距離の二乗に反比例するものと考えられる...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...「例えば、河野さんと実は関係がついていたり、北海道でいろんなことがあったり、そんな風な奔放な女だったとしたら?」「え、そんな女でしょうか...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...中(なか)に集(あつ)まりしは例(れい)の美登利(みどり)に正太郎(しようたらう)...
樋口一葉 「たけくらべ」
...例えば、詩人たちは古より、風物の詩趣に富む体系とも言うようなものごとを形作っていた...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...例の下五に入れ撥(ばち)の入る独特な都々逸で...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...例のこの作者らしい雰囲気で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...蘭軒は例に依つて詩を遺してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...私はもう一つ例をとってこの事実を明かにしましょう...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...きたない例だが虱をシラミ...
柳田國男 「食料名彙」
...例の「ごったくや」といわれる小料理屋が並んでいて...
山本周五郎 「青べか物語」
...また例の金杉の権あにいの子分の...
山本周五郎 「風流太平記」
...一万五千の大敵を衝(つ)きくずした例もある彼である...
吉川英治 「新書太閤記」
...うち見た所私のほかには最初強風を予言した例の痩老人のみが先ず生色あるのみで...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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