...私のように持ち合わした力の使いようを知らなかった人間はない...
有島武郎 「小さき者へ」
...金の使いよう私は決して諸君の経済生活に立入るのではないが...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...凡兆の句は大方清新にしてしかもどことなく大きいところのある――仮りに彫刻にたとえていえば鑿(のみ)の使いようがずばずばとくったくなく大きい――というのも畢竟(ひっきょう)この写生からくる強味なのでありましょう...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...使いようがないじゃありませんか」と云いますと...
田中貢太郎 「母の変死」
...成る程丹生夫人は、大阪っ児ではあるけれども、女学校が東京であった関係上、東京人との交際が多いので、東京弁が上手なことに不思議はないものの、それでもこんなにまで堂に入っているとは、長い附合いの幸子にしても今日まで知らなかったことで、今日の夫人はいつものおっとりとしたところがまるでなく、眼の使いよう、唇(くちびる)の曲げよう、煙草を吸う時の人差指と中指の持って行きよう、―――東京弁は先(ま)ず表情やしぐさからああしなければ板に着かないのかも知れないが、何だか人柄が俄(にわか)に悪くなったように思えた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...要するに彼女は野生の獣で、これに比べると綺羅子の方は、物の言いよう、眼の使いよう、頸(くび)のひねりよう、手の挙げよう、総(す)べてが洗煉(せんれん)されていて、注意深く、神経質に、人工の極致を尽して研(みが)きをかけられた貴重品の感がありました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...それでも使いようによっては人間以上に役にたつ...
豊島与志雄 「椎の木」
...マドロスもまた使いようによって...
中里介山 「大菩薩峠」
...何でも言葉の使いようから判断すると...
夏目漱石 「行人」
...しかし純粋の遊戯でもかように四隣を驚かすに足る能力を有している以上は使いようで砲撃の用には充分立つ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...これは文字の使いようがかかる意味になりしまでにて...
新渡戸稲造 「自警録」
...即ち頭の使いようによって死ぬる生きるという事が定まるんで...
新渡戸稲造 「「死」の問題に対して」
...智恵の小出しを使いようもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どうせろくな使いようはすまい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...一枚の紙も使いようだというて...
矢田津世子 「神楽坂」
...やがて火の使いようぐらいは覚えるだろうが...
山本周五郎 「さぶ」
...指の細さ、櫛の使いよう、どうしても女であった...
吉川英治 「私本太平記」
...「人は使いよう……...
吉川英治 「無宿人国記」
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