...併し書くに足る程の内面的成熟を待つて之を記録したと云ふだけの權利は...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...併し、どれ程女房の死が僕を悲しませたか、それがどんなに僕の一生をメチャメチャにして了ったかということを、よくよく君に察して貰い度いからこそ、云い度くもないのを無理にも云っているんだ」北川氏は如何にも殊勝げにこう語り出したのであった...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...併し餘程よくなりましたよ...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...併し文太郎は唯一途に弟の體を心配して眞心籠めて話してゐるのであつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...併し之まで一般に文化の批判と呼ばれていたもの――その代表的なものは批判主義の哲学である――と...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...併しそこには思想はない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...――法律制度が併し一寸見ると露骨には経済的な所有関係を示さない理由は...
戸坂潤 「科学論」
...併し第三の意味の学界がある...
戸坂潤 「学界の純粋支持者として」
...併し因果的に見るということは後のものを前のものの関数を現わす法則として見ることに外ならぬのであるが思うにかかる法則は独り後のものを前のものの関数として現わすのみならず又前のものをも後のものの関数として一義的に決定するものでなければならぬ...
戸坂潤 「カントと現代の科学」
...世界に対して人間が直接に感銘した処の漠然とした併し大体の輪郭の決った直観像という資格を有つこともあれば...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...併し社会民主党がその苦難期(一九〇七年後の数年間)に入るや...
戸坂潤 「辞典」
...なる程一般にイデオローゲンは自然科学や技術の世界で素人だが、併し、イデオローゲンとしては一個の専門家・技術家・なのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...この問題は併し可なり原理的なものから来ている...
戸坂潤 「読書法」
...併し関係の項が存在すると同じ意味に於て存在するのではない...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...併し伯の東奔西走の勞苦は空しからず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...併しこれまでになつたのは...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...互ひにむきになつて対抗しながらも併し不調和になつてはいけないといふことは知りきつてゐた...
野上豊一郎 「演出」
...併し、これは少しく説明を要する...
二葉亭四迷 「予が半生の懺悔」
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