...その中で残っているのは菜の花の上に作り物の蝶々を飛ばせるようにした蝶々売りと...
淡島寒月 「梵雲庵漫録」
...作り物の恐龍でないことは...
海野十三 「恐龍艇の冒険」
...この怪奇なる組立て人間「蠅男」に較べると作り物の大入道ほども恐ろしくはなかった...
海野十三 「蠅男」
...作り物の蜘蛛であって...
海野十三 「爆薬の花籠」
...きかいじかけの作り物です...
江戸川乱歩 「赤いカブトムシ」
......
谷譲次 「踊る地平線」
...お寺の日時計・砂時計・礼拝中に居眠りするやつを小突くための棒・男たちの wicked eye から完全に保護されている女だけの席・地獄の絵・審判の日の作り物・うその告白をした女を罰する足枷(あしかせ)――それらにまんべんなく感心してしまうと...
谷譲次 「踊る地平線」
...その眼の上に引いてあるのは明かに作り物なのです...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...いっそう技巧的であり作り物であって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...作り物語において讀者の好奇心をこんな風にまどわすことは...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...作り物の弁慶だ」仏頂寺がこういって力(りき)み出した地声が...
中里介山 「大菩薩峠」
...その中央にはやはり粉の作り物を何でも思ひ思ひにこしらへて置くのぢやさうな...
正岡子規 「病牀六尺」
...己(おの)が好む花の色したよい加減な作り物に付き纏う事あり...
南方熊楠 「十二支考」
...よい形をした五葉の枝に作り物の鶯(うぐいす)が止まらせてあって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どこにも作り物という感じがないではないか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...興がる早物語や作り物語の類を...
柳田国男 「雪国の春」
...その場面の表現は他の役者が遣るからその作り物にも意義が出て来るのと同じわけのものではないか」この二つの疑問や反駁は詰るところ同じ意味で...
夢野久作 「鼻の表現」
...「なんじゃ!」「では、お上の調書はすべて信じられぬ、作り物であると、仰せられますか」「おまえ何じゃ?」「はっ」と、羅門は、老人の威圧に押されて、「お忘れでござりますか、以前、どこかで、お目にかかっておりますが」「ウム」と、老人は思い出したように、「上方(かみがた)の羅門――殿だったな」「そうです」「これや、しばらくじゃった」「いつも、お健(すこ)やかで」と、慇懃(いんぎん)に、会釈をし直すと、「長命のわずらいじゃ」と、老人は嗟嘆(さたん)した...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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