...夕焼の余炎が消えかかつた空を...
芥川龍之介 「槍ヶ嶽紀行」
...また百姓(ひゃくしょう)の輩(はい)は地租改正(ちそかいせい)のために竹槍(ちくそう)席旗(せきき)の暴動(ぼうどう)を醸(かも)したるその余炎(よえん)未(いま)だ収(おさ)まらず...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...鉱毒問題の余炎がとかく上りやすいので...
伊藤野枝 「転機」
...その余炎で町中はまるで蒸されるように暑く...
寺田寅彦 「高原」
...日露戦争の余炎がまださめぬ頃で...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...日露戦争の余炎(ほとぼり)がまださめぬ頃で...
徳冨盧花 「水汲み」
...火災の余炎があるばかりで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...余炎はまだ盛んなものでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...余炎(ほとぼり)を抜くまでどこぞに忍ばせているだろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...二千人以上の殉教者と三万数千人の被刑者とを出して尚執(しふ)ねく余炎をあげてゐた切支丹騒動なるものは一段落ついた様に見えた...
長與善郎 「青銅の基督」
...やや余炎(ほとぼり)のさめたる頃に信さんお前は腹を立つか知らないけれど時の拍子だから堪忍して置いてくんな...
樋口一葉 「たけくらべ」
...なお若かった日すらも恨めしい所のあった源氏の心のいわば余炎ほどの愛を受けようとは思わない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...(ウェルギリウス)今もなお身うちに幾らか情熱の余炎が残っている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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