...――これは、余事ですが、実際奈良島をさがして歩く私たちの心もちは、この猿を追ひかけた時の心もちと、可成(かなり)よく似てゐました...
芥川龍之介 「猿」
...(これは余事にわたるが好奇な人のために附け加えておく...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...余事ハ交川(まじりかわ)博士ニ一任シ...
海野十三 「断層顔」
...佐助の語るところは彼の主観の説明を出でずどこまで客観と一致するかは疑問だけれども余事はとにかく春琴の技芸は彼女の遭難(そうなん)を一転機として顕著(けんちょ)な進境を示したのではあるまいか...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...暫らく余事として...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...竹田さんは余事をべらべら饒舌り立て...
豊島与志雄 「絶縁体」
...仏七万遍になってから後は昼夜念仏の外に余事を交(まじ)ゆるということなく...
中里介山 「法然行伝」
...かえって余事を話し合った...
夏目漱石 「道草」
...余事はしばらく問題外に措(お)くとして...
夏目漱石 「明暗」
...それは余事だから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...余事はさておき、私はこの問に対して、「それはなんでもないことだ、将棋さしが詰将棋の手を考えるのと同じことだ、木村名人が生涯に三百題の詰将棋を考えたところで、少しの不思議もないではないか」――と...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...「これは余事でありますが...
久生十蘭 「魔都」
...それもこの『竹馬余事』には書き残してある...
柳田国男 「故郷七十年」
...もう一つこの『竹馬余事』の中で面白いのは...
柳田国男 「故郷七十年」
...何やらお言伝でも承って参りたいと存じたが、公(おおやけ)のお使い、わざと差し控えてきましたが」「いや、余事はおいて、時に、わが主玄徳におかれては、かねてより呉の君臣に交友を求め、相たずさえて曹操を討たんと欲しられていますが、貴下のお考えでは如何であろうか」「さあ、重大ですな」「自惚(うぬぼ)れではありませんが、呉もまたわれわれと結ばなければ、存立にかかわりましょう...
吉川英治 「三国志」
...ゆうも長亭軒のほうへ戻しましたので」「余事を申すな...
吉川英治 「新書太閤記」
...余事を申しておる遑(いとま)もない...
吉川英治 「新書太閤記」
...これくらいで』『余事は又』『もう残るところもありますまい』酒を呼んで...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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