...――これは、余事ですが、実際奈良島をさがして歩く私たちの心もちは、この猿を追ひかけた時の心もちと、可成(かなり)よく似てゐました...
芥川龍之介 「猿」
...紙面の制限のためにこれまでにとどめて余事は後日に譲ることとする...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...「已(すで)に死生を把(と)りて余事に附す...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...ここにちょっと一言余事をはさむ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...小説執筆余事なし...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...しかしそれは余事です...
夏目漱石 「行人」
...かえって余事を話し合った...
夏目漱石 「道草」
...それは余事だから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...話が余事に亘つたが...
萩原朔太郎 「ラヂオ漫談」
...今こそそういう余事はさておいて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...抽斎の詩はその余事に過ぎぬが...
森鴎外 「渋江抽斎」
...子供のころの『竹馬余事』は...
柳田国男 「故郷七十年」
...余事にわたり憚(はばか)りながら...
山本周五郎 「日本婦道記」
...白洲にはあるまじき余事...
吉川英治 「大岡越前」
...何やらお言伝でも承って参りたいと存じたが、公(おおやけ)のお使い、わざと差し控えてきましたが」「いや、余事はおいて、時に、わが主玄徳におかれては、かねてより呉の君臣に交友を求め、相たずさえて曹操を討たんと欲しられていますが、貴下のお考えでは如何であろうか」「さあ、重大ですな」「自惚(うぬぼ)れではありませんが、呉もまたわれわれと結ばなければ、存立にかかわりましょう...
吉川英治 「三国志」
...「――余事は措(お)きまして...
吉川英治 「新書太閤記」
...余事にばかり亙(わた)ったが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...神妙な――と忠勝はその体(てい)をながめ入って、「余事であるが、聞けば、其許(そこもと)には武辺に似あわぬ風雅のたしなみもあるそうな...
吉川英治 「宮本武蔵」
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