...人はこの場合の私を余り強過ぎたからだといおうとするかも知れない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...余り好事家(ものずき)のほうではないつもりだが...
大阪圭吉 「死の快走船」
...誰しも自分の女房の体のことなどを余り委(くわ)しく書き立てるのは厭(いや)でしょうが...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...余りに移気だとは思はないか...
田山録弥 「不思議な鳥」
...「余り下らないことばかりお饒舌したわね...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...その余りはあくる日与次郎が来て...
夏目漱石 「三四郎」
...けれども広い寒さを照らすには余りに弱過ぎた...
夏目漱石 「門」
...六十人余りの女達とは収容所で別れて...
林芙美子 「浮雲」
...明治九年の春、私が長男一太郎(いちたろう)と次男捨次郎(すてじろう)と両人を連れて上方(かみがた)見物に行くとき、一は十二歳余り、捨は十歳余り、父子三人従者も何もなしに、横浜から三菱会社の郵便船に乗り、船賃は上等にて十円か十五円、規則の通りに払うて神戸に着船、金場小平次(きんばこへいじ)と云(い)う兼(かね)て懇意(こんい)の問屋に一泊、ソレから大阪、京都、奈良等、諸所見物して神戸に帰(かえっ)て来て、復(ま)た三菱の船に乗込むとき、問屋の番頭に頼んで乗船切符を買い、サア乗込みと云うときにその切符を請取(うけとっ)て見れば、大人の切符が一枚と子供の半札が二枚あるから、番頭を呼んで、「先刻申した通り切符は大人が二枚、小供が一枚の筈(はず)だ、何かの間違いであろう、替えて貰いたいと云うと、番頭は落付払(おちつきはら)い、「ナーニ間違いはありません...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...余りの気の毒さに...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...」余り癪にさはつたから「そんな出たら目の虚病(けびやう)なんか...
牧野信一 「晩秋」
...ついでに字余りのこと一寸(ちょっと)申候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...茫然となすことを知らざる余りに不意な出来事に...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...余り甚だしい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...余りに完全なもの...
吉川英治 「私本太平記」
...いかに主君とはいえ余りな極言である...
吉川英治 「新書太閤記」
...余りにも、自分のうちに感じていた事と中(あた)りすぎていたからである...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...そこで平戸に半月余り滞在した後...
和辻哲郎 「鎖国」
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