...ああ余は余が佗人(たにん)をさばきしごとくさばかれたり(馬太(マタイ)七章一...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...我ながら佗住居らしく感じるが...
種田山頭火 「其中日記」
...更に揃つて下りて来るジヤンクの暗い佗(わび)しい帆に...
田山録弥 「犬」
...そしてこの物佗しい館(やかた)につかえる一個の無言の召使である...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...薄曇りの下を明るく流るる斜陽が淋しく佗びしくそして余りに静かであった...
豊島与志雄 「或る日の対話」
...薄曇りの佗びしい夕方だった...
豊島与志雄 「月明」
...草双紙(くさぞうし)に見るような何という果敢(はかな)い佗住居(わびずまい)の情調...
永井荷風 「妾宅」
...のつそつ夜明を待ち佗(わ)びたその当時を回顧すると...
夏目漱石 「思い出す事など」
...佗(わ)びしい雨が今にも降り出しそうな暗い空を...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...佗(わび)しい二人であつた...
林芙美子 「浮雲」
...その部屋の佗しさを食ひつくやうにして眺めてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...佗しいものの臭い――それは毛糸か何かが煉炭(れんたん)で焦げるような臭いであった――を感じた...
原民喜 「冬日記」
...佗(わ)びた折戸の庭口より入れば...
樋口一葉 「たけくらべ」
...そこへ涼しい風が吹き込だ真夏の田舎の佗住ひの光景であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...佗(わ)びしい仮住の家で...
堀辰雄 「姨捨」
...私はそれをただわれわれの女主人公のやうな境遇の女がその里に佗び住みしながらふと詠みいでた述懷の歌としてのみ味ひたいのである...
堀辰雄 「姨捨記」
...神医往々出華佗...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...何気なしに日本橋の方へ待ち佗(わ)びた眼をやると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索