...……佗しき山里の夜は更けて...
石川啄木 「鳥影」
...下宿で正月を過すのも佗しいから」令状にはただ...
梅崎春生 「狂い凧」
...いつも悲しいやうな佗しいやうな心持で...
田山録弥 「赤い鳥居」
...そしてこの物佗しい館(やかた)につかえる一個の無言の召使である...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...私はこの二人のむしろ見すぼらしい形ばかりの洋服を見比べているうちに一種の佗しさを感じた...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...曇り勝ちで佗(わ)びしい一週間が過ぎた...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...その中に在る自分の孤影が急に涙ぐまるるまで佗びしかった...
豊島与志雄 「生あらば」
...雪国の遅い春を待ち佗びる人々にのみ...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...いくら別れたと云っても、病気のあなたの事を思うと、佗しくなります...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...」海にやけた佗し気な顔して兄さんは口をつぐむ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...いいようもない佗しさ...
火野葦平 「花と龍」
...余生を佗(わ)びしく過ごす人になってしまった...
堀辰雄 「花を持てる女」
...仮屋して佗しい日を送つてゐる...
牧野信一 「環魚洞風景」
...年中廿人位のお客を相手に南麟と云ふ講釈師許りがかゝつてゐたさうな世にも佗びしい釈場の光景や...
正岡容 「寄席風流」
...うら佗びしくもある...
水野仙子 「脱殼」
...あのお方の佗しかった一生の晩年を飾るアーチの菊の役目をして誇らかに生きていきとうございます...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...赤岩村の佗(わび)しい郷士...
吉川英治 「山浦清麿」
...宿の前に在る時間湯から例の佗しい笛の音が鳴り出した...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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