...隠居家にひとり佗びしく生きていた老母――彼女の実の母――が息を引取る時も...
犬田卯 「沼畔小話集」
...佗助(わびすけ)...
薄田泣菫 「独楽園」
...四「この花には捨てがたい佗があるから...
薄田泣菫 「独楽園」
...ふらふらと枝から枝に移り往くこの貧しい佗姿に近づき...
薄田泣菫 「独楽園」
...――でも何か佗しい音であった...
高見順 「如何なる星の下に」
...世を住み佗(わ)びていたかどうかを問う用はない...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...あの燃え残りの蝋燭の発する佗びしい...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...彼は佗しい浪の音を聞きながら...
徳田秋聲 「浪の音」
...図書館の中の佗びしい空気を私に思わした...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...そのあとの妙に佗びしい空間に...
豊島与志雄 「乾杯」
...黙ってゲームを見ている松井の心にある佗びしい思いが湧いた...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...路地裏の佗住居、ガスストーブの設けとてもなければ、朝目覚めて後も蓐中にて麺麭とシヨコラとを食し、其儘に起出でず、午頃まで読書するなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...佗しいものの姿が...
原民喜 「翳」
...そういう佗しいなかに交っていると...
原民喜 「冬日記」
...その佗(わ)びしい墓さえ...
堀辰雄 「花を持てる女」
...斯(こ)うした佗(わび)しい心持の時に限って思出されるのは...
松本泰 「緑衣の女」
......
森川義信 「廃園」
...佗(わ)びたる荒壁の小床には...
吉川英治 「宮本武蔵」
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