...その時までにも何遍となく見たことはあったのだが...
モオパッサン 秋田滋訳 「寡婦」
...長塚がこないを十何遍繰返したろう...
伊藤左千夫 「正岡子規君」
...その頃は『八犬伝』のドコかが三冊や四冊は欠かさず座右にあったのだから会心の個処は何遍読んだか解らない...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...」「そない何遍も云わんかて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...父君を快よう立たせて呉れ!』かう言つて堀川の殿は几帳のかげに身を隱した女君の衣の袖に何遍その顏を當てたか知れなかつた...
田山花袋 「道綱の母」
...何遍も何遍もかれはそれをその日記の中に書いた...
田山録弥 「路傍の小草」
...途中で打切ってさて何遍となく行を改めて更に書出してみても...
寺田寅彦 「猫の穴掘り」
...日に何遍もココアをいれさせるとなさけなさそうな顔をしてやってくれた...
中勘助 「島守」
...朝から晩までに何遍となく読み返した大島将軍の詩は...
夏目漱石 「思い出す事など」
...今まで何遍(なんべん)もそれを聞かされた私と兄は...
夏目漱石 「こころ」
...縁談を断る方は単独にも何遍となく決定が出来た...
夏目漱石 「それから」
...私一人で何遍も何遍も捜しましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何遍か危ない目にも逢わせた女房ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...圭介は余っ程母に云って菜穂子を東京へ連れ戻そうかと何遍決心しかけたか分からなかった...
堀辰雄 「菜穂子」
...取り済してこれも何遍も何遍も繰り返した...
牧野信一 「秋・二日の話」
...ずっとめえから何遍も好きだあ好きだってねごとう云ってたっけだ」「お...
山本周五郎 「青べか物語」
...さも恨めしげに何遍(なんべん)も何遍も見比べた...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...「ひとたび泥塗られた武門の恥は拭(ぬぐ)い難(がた)しというのに、わが殿も家中も、あの安土のじゃじゃ馬殿のために、何遍、それを怺(こら)えて来たことか...
吉川英治 「新書太閤記」
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