...何某(なにがし)にひかされて...
泉鏡花 「浮舟」
...何某侯(なにがしこう)の御隠居の御召に因って...
泉鏡花 「歌行燈」
...金石の港に何某(なにがし)とて...
泉鏡花 「瓜の涙」
...私はそんな何某などを相手になどしてやしない...
太宰治 「『玩具』あとがき」
...それはまるで何某先生の「余は如何(いか)にして何々主義者になりしか」と同様の白々しいものになってしまうであろう...
太宰治 「苦悩の年鑑」
...シガー一本をできるだけゆっくり時間をかけて吸うという競技で優勝の栄冠を獲たのはドイツ人何某であった...
寺田寅彦 「記録狂時代」
...きょう子供の贈物(ゲシェンク)にする人形の着物をほとんど一手で縫うたシュエスター何某が...
寺田寅彦 「先生への通信」
...何某は小食だからいつも残飯があるとて大食の者にねらわれた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...阿久の三味線で何某が落人(おちうど)を語り...
永井荷風 「深川の散歩」
...どこの何某(なにがし)か知らぬ男と知らぬ女で占領されている...
夏目漱石 「野分」
...世の中で何某(なにがし)が大いに失敗したと四面楚歌(めんそか)の声が聞こえても...
新渡戸稲造 「自警録」
...何某はいずれの政談演説会に聴衆の喝采を得たる人物なれば...
福沢諭吉 「学問の独立」
...島原藩士何某が私方に遣(やっ)て来て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...同時に、また、「ワーツ!」といふ気たゝましい叫喚の渦が、小屋全体をはね飛すやうに巻き起つたかと、見ると、当の桐渡ガラドウをはじめ、今迄私達の周りに太々しい面構えを曝して、動かばこその姿勢を示してゐた地主アービスも従者のアヌビスも、執達吏のドライアス、代言人のクセホス、周旋業の何某、伯楽(ばくらふ)の手代等といふ黒雲の面々が、一勢に弾(バネ)にはぢかれた蛙のやうに吃驚り仰天して、「ギヤツ!」と叫ぶと同時に、夫々その瞬間まで保つてゐた大業な姿制のまゝで、ぴよんと飛びあがつた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...駒込署刑事何某とあった...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...お邸奉公を望む」「何某...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これと同じ時刻に新張村(にいばりむら)の何某という者...
柳田国男 「遠野物語」
...逃げながら『何某にここでころされてしにます』と足あとで印したといふのがあり...
横瀬夜雨 「春」
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