...「どこの何某は賢い...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...むかし永光寺のほとりに貴人(きにん)何某(なにがし)住玉ひしに...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...その何某先生が鬼のやうな醜惡の才能を持つてゐるといふ事實を暴露し...
太宰治 「お伽草紙」
...もう二十年も前にドイツの何某が試みて失敗したものだよ」といったようなことをしたり顔に云って他人の真面目なそうして実際はかなり有望な独創的研究をあたまからけなしつけるようないわゆる大家も決して珍しくはない...
寺田寅彦 「変った話」
...きょう子供の贈物(ゲシェンク)にする人形の着物をほとんど一手で縫うたシュエスター何某が...
寺田寅彦 「先生への通信」
...何某(なにがし)さんは金持(かねもち)だもの...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...それで「いまき」の何某といつたので...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...「何某(なにがし)は死にやあがった」「誰は結婚しやあがった」「勉強しやあがった」「昇進(しょうしん)しやあがった」といい...
新渡戸稲造 「自警録」
...扨(さて)は何某殿(なにがしどの)の未亡人(びばうじん)とか...
一葉女史 「たま※[#「ころもへん+攀」、U+897B]」
...何某樣(たれさま)お立(た)ちの聲(こゑ)にぎはしく...
樋口一葉 「われから」
...イワン・ガウリーロッチ何某(なにがし)か!……こんな風にその官吏は独りでぼんやり繰返すのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...「何某(なにがし)は慥(たし)かなる人なり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...島原藩士何某が私方に遣(やっ)て来て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...方々の店を見聞した後に漸く日本橋の何某店で...
牧野信一 「断想的に」
...同時に、また、「ワーツ!」といふ気たゝましい叫喚の渦が、小屋全体をはね飛すやうに巻き起つたかと、見ると、当の桐渡ガラドウをはじめ、今迄私達の周りに太々しい面構えを曝して、動かばこその姿勢を示してゐた地主アービスも従者のアヌビスも、執達吏のドライアス、代言人のクセホス、周旋業の何某、伯楽(ばくらふ)の手代等といふ黒雲の面々が、一勢に弾(バネ)にはぢかれた蛙のやうに吃驚り仰天して、「ギヤツ!」と叫ぶと同時に、夫々その瞬間まで保つてゐた大業な姿制のまゝで、ぴよんと飛びあがつた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...何処の何某から出たものであり...
三木清 「人生論ノート」
...何某という軍医、恙の虫の論に図(ず)など添(そ)えて県庁にたてまつりしが、こはところの医のを剽窃(ひょうせつ)したるなり云々...
森鴎外 「みちの記」
...これと同じ時刻に新張村(にいばりむら)の何某という者...
柳田国男 「遠野物語」
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