...長窪(ながくぼ)の本陣(ほんじん)何某へ強請(ゆすり)に行ったりしたことを伝えている...
芥川龍之介 「伝吉の敵打ち」
...何某(なにがし)の院のあととや花菖蒲溝(みぞ)またぎ飛び越えもして梅落とす時過ぎて尚(なお)梅落とす音すなり六月二十一日 物芽会...
高浜虚子 「六百句」
...殺されたのは税務署長及び署員の何某と...
高見順 「いやな感じ」
...その何某先生が鬼のやうな醜惡の才能を持つてゐるといふ事實を暴露し...
太宰治 「お伽草紙」
...私はそんな何某などを相手になどしてやしない...
太宰治 「『玩具』あとがき」
...貴下(あなた)は」貴下は何某ではないかと云う知っている人を探し求むる詞(ことば)であった...
田中貢太郎 「春心」
...僕は何某です」と答えようとしたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...神謡は多く何某神が“自らの体験を語った”という文句で結ばれていますが...
知里真志保 「アイヌ宗教成立の史的背景」
...その屋根には静岡何某小学校と大きく書いてある...
寺田寅彦 「静岡地震被害見学記」
...まじめで勉強家で有名な何某一人のほかにはだれもいなかった...
寺田寅彦 「田丸先生の追憶」
...また種子が現在関係している男の中で、探偵社の調査したものは、筑前琵琶(ちくぜんびわ)の師匠何某(なにがし)、新派俳優の何某、日本画家何某の三人であるという...
永井荷風 「ひかげの花」
...「何某(なにがし)は死にやあがった」「誰は結婚しやあがった」「勉強しやあがった」「昇進(しょうしん)しやあがった」といい...
新渡戸稲造 「自警録」
...」今度は、山犬の何某が、そんなことを呟きながらにや/\と笑つたかと思ふと、ごろりと横になつて、ミツキイの膝に頭を載せようとした...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...「そんなことを一概に云へるもんですか!」「あの中にある北条記の稗史めいたものゝうちに何某といふ領主が天主閣の楼上で烏天狗と問答をする――領主自身の不思議な手記がある筈だが...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...私が拠(よ)り所にしている報道や知識も何処の何某から出たものであるかを知らない...
三木清 「人生論ノート」
...「何某はどうしているか」と...
三木清 「西田先生のことども」
...これが奥羽の方へ行くと何の何某(なにがし)館と書いてある...
柳田國男 「名字の話」
...何ホテルの第何号室に投宿する何某という男が真犯人だと警官に予告し...
夢野久作 「書けない探偵小説」
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