...金剛石(ダイアモンド)のブロオチ――何一つ動いてゐるものはない...
芥川龍之介 「わが散文詩」
...広い世の中何一つ面白い事がない...
石川啄木 「雪中行」
...放浪的(ほうろうてき)に歩いて何一つ買わないで帰る日もある...
伊藤左千夫 「廃める」
...何一つ禮をいはれるようなこともしておかないし...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...私の宿には何一つとして面白いものはないのだ...
梅崎春生 「風宴」
...自分の目的に適ふやうな事は何一つ書いてなかつた...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「若い僧侶の話」
...私は朝からほとんど何一つ戴いておらなかったのでございますが...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...世間人としての義務を何一つ果してゐない...
太宰治 「お伽草紙」
...いずれも何一つ持出すひまもなく...
寺田寅彦 「震災日記より」
...しかし彼は何一つ利用しなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...何一つ倖(しあは)せはなかつたが...
林芙美子 「浮雲」
...死者は、いまこそ、生きたものから、何一つ、心づかひを求めてはゐない...
林芙美子 「浮雲」
...文学が科学的研究の対象になり得ないと考へる論拠を何一つ見出すことができないのである...
平林初之輔 「文学方法論」
...何一つ食べられるものはないのだ!』今では相当厄介な気がして来た...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...夫の言うことに何一つ負(そむ)いた事がない...
森鴎外 「蛇」
...お互いが心の奥底から契り合う・何一つ控えかくさない・そういう交際は滅多にないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...何一つ新しい発見もせず明日帰ろうという機械技師の苦衷は...
横光利一 「旅愁」
...まだ何一つとして...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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