...まさしく何のなにがしというれっきとした名のある大親分であろう...
谷譲次 「踊る地平線」
...そうだ、多分あれに、何のなにがし、何里何町と刻んである、ひとつ見てやれ――石の柱へちかよって見ると、それは道標でも、里程でもなく、ただ二字、石に刻んだそれが「笠寺(かさでら)」と読まれる...
中里介山 「大菩薩峠」
...酒によって悪いところが嵩(こう)じてきた白雲は、「米沢の吾妻山なんて名乗っても、米沢だけの天地では通るかも知れんが、他国の人に名乗り聞かせる場合には通らない、出羽の米沢の、謙信公の上杉家の、その家中の、何のなにがしと、お名乗りなさい、吾妻山なんていう山は名山図会(ずえ)の中には無い」「ふふん」児島なにがしが、冷笑して問題にしないから、田山白雲が躍起となりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...何のなにがしと名乗ってみろ」「何のなにがしと名乗るような...
中里介山 「大菩薩峠」
...その次にはどこどこ聯隊長(れんたいちょう)何のなにがしと書いてある...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...神は霊魂が何のなにがしのもとにあった間どんなふうであったかにより...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...何のなにがしの後胤(こういん)にて何処(どこ)そこの住人...
吉川英治 「新書太閤記」
...これを人間同士で「何のなにがし殿」とつよく印象しあうが...
吉川英治 「新書太閤記」
...何のなにがしと名のる人間と思われては困る...
吉川英治 「随筆 新平家」
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