...何のかのって云っているからな...
泉鏡花 「婦系図」
...何のかのと、ろくでも無い料理をうるさくすすめて、くだらないお世辞を交換し、をかしくもないのに、矢鱈におほほと笑ひ、まあ! なんて珍らしくもない話に大仰に驚いて見せたり、一から十まで嘘ばかりの社交を行ひ、天晴れ上流の客あしらひをしてゐるつもりのケチくさい小利口の大馬鹿野郎どもに、この竜宮の鷹揚なもてなし振りを見せてやりたい...
太宰治 「お伽草紙」
...津田氏がこんどの問題をなぜ私のところへ持ち込んで何のかのと支離滅裂な八つ当りの言辞を弄(ろう)し騒ぎ立てているのか...
太宰治 「惜別」
...口では何のかのと威勢のいい事を言っていながら...
太宰治 「惜別」
...何のかのと話しかける...
種田山頭火 「行乞記」
...何のかのとうるさい...
種田山頭火 「行乞記」
...何のかのといいながら...
田山花袋 「日本橋附近」
...「でもどんな意気なものがあるんだか拝見しましょうか」「何のかのと言っちゃ...
徳田秋声 「あらくれ」
...何のかのと歯の浮くやうな小理窟つけて物になしたるほどなれば...
永井荷風 「書かでもの記」
...二年何のかのと銀座界隈(ぎんざかいわい)を通る事が多くなった...
永井荷風 「銀座」
...何のかのといふ中また一年生きのびたれどさして嬉しくもなし...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...何のかのと毎月花環が幾つか要る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...何のかので床へ入りしは...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...また何のかのと評判にするからいやだ...
柳田国男 「雪国の春」
...何のかのと云うても一知の働らき振りはあの婆さんの気に入っとるに違いないわい...
夢野久作 「巡査辞職」
...で、何のかのと、意見を提出して、留守にいても玄徳の心をつかみ、西蜀征伐の功の一半を逸すまいという心があるにきまっている...
吉川英治 「三国志」
...故にきっと、藤吉郎から申し上げても、また何のかのと、お否(いな)み遊ばすにちがいない...
吉川英治 「新書太閤記」
...酉兵衛が、駕でというのを、何のかのと、歩かせて来たのも、彼女の考えからだった...
吉川英治 「無宿人国記」
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