...何とも知れず厭(いや)な様々な因縁(いんねん)――邪魔をするものが何もない...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...ふいと何とも知れず心細くなる事がございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...何とも知れずいやな気持になつて...
太宰治 「お伽草紙」
...何とも知れずいやな氣持になつて...
太宰治 「お伽草紙」
...まったく、その子供の笑顔は、よく見れば見るほど、何とも知れず、イヤな薄気味悪いものが感ぜられて来る...
太宰治 「人間失格」
...ふいに何とも知れず心が重くなり...
田畑修一郎 「南方」
...夜と共にその光のいよ/\冴えてくるのを何とも知れず眺めてゐたことがあつた...
永井荷風 「枯葉の記」
...春寒き夜に曝し出されたるさま何とも知れず哀れふかし...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...何とも知れず気味のわるい心持がしたものである...
永井荷風 「巷の声」
...そもそも我から意識して戯作者(げさくしゃ)となりすました現在の身の上がいかにも不安にまた何とも知れず気恥しいような気がしてならなくなった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...何とも知れず人肌恋しき秋の夜の風情を覚えさせるのであった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...何とも知れず心の浮き立つ折から...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...また母に対して何とも知れず気の毒のような済まないような気もして自然と涙ぐんだ...
永井荷風 「寐顔」
...わたくしは何とも知れず安心したような心持になって...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...病身の寅彦が「体が段々落ちて行くような何とも知れず心細い気が」して眺めた「天井に吊るした金銀色の蠅除け玉」だけである...
中谷宇吉郎 「寅彦の遺跡」
...何とも知れず重い気分になる...
夏目漱石 「虞美人草」
...何とも知れず肩のあたりが寒くなって...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...声から風のように何とも知れず良さそうなものが這入って来る...
横光利一 「北京と巴里(覚書)」
便利!手書き漢字入力検索