...この「失敬」という一語は何となく人の心を牽(ひ)きつけるような声であった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...何となく痛い言葉であった...
橘外男 「逗子物語」
...雲の色も風の音も何となく穏かでないものがあつた...
種田山頭火 「其中日記」
...常磐木が芽を出すさまも何となく心を惹く...
田山花袋 「新茶のかおり」
...また何となく親しみの持てる秋でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...何となく心を牽(ひ)かれる俳句であり...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...何となくホッとする...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...故にその後は何となく英仏両派の間に殺気立って...
穂積陳重 「法窓夜話」
...エレンが何となく気になり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...何となく私は他人の前に出るのを恥らふやうな臆病心を養成されて...
牧野信一 「毒気」
...何となくめめしく恥かしくてちひさき女の童(わらわ)にやりたるも嬉し...
正岡子規 「わが幼時の美感」
...」二人は何となく幸福であつた...
水野仙子 「散歩」
...何となく安心しました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それとも何となく長い疲れが出たのか...
室生犀星 「後の日の童子」
...何となく待たるるものがあるような気がするので...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...何となく気が進まぬらしい態度(ようす)で...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...水夫長は何となく「虫が好かない」と思った...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...それかあらぬか兩人(ふたり)の娘の性質も何となく一種異(ちが)つた傾向を帶びて行きつつあるかの觀がある...
若山牧水 「一家」
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