...何くれとなく面倒を見てくれていた...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...何くれとおくがたをいたわってお上げなされて...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...何くれと持て来ては鶴子にも余等にも与え...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...わが家(や)とは市(いち)ヶ谷(や)谷町(たにまち)の窪地(くぼち)を隔てしのみなれば日ごと二階なるわが書斎に来りてそこらに積載(つみの)せたる新古の小説雑書のたぐひ何くれとなく読みあさりぬ...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...何くれと花房一郎に好意を示しました...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...何くれと焚いて居ると...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...母親かげの毒舌をかくして風引かぬやうに小抱卷何くれと枕まで宛がひて...
樋口一葉 「大つごもり」
...蕪村は読書を好み和漢の書何くれとなくあさりしも字句の間には眼もとめず...
正岡子規 「俳人蕪村」
...女一通りの事は何くれとなくたしなんでいたが...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...何くれとなくこまごま注意してあることだった...
吉川英治 「三国志」
...そして都は、どこにお住居で」と、何くれとなく、尋ねだした...
吉川英治 「私本太平記」
...お心おきなく」と、風呂場には、新しい衣服をそなえさせ、夜には、食膳を共にするなど、何くれとなく、その牢愁(ろうしゅう)を、なぐさめた...
吉川英治 「私本太平記」
...ここから何くれとなく指令を出していたほどだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...荷馬にも行李(こうり)や金銀や何くれとなく括(くく)られる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...何くれとない注意を与える...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...何くれとなく知らせて来た...
吉川英治 「源頼朝」
...そなたの顔を見たら、さだめし御病人もお欣(よろこ)びになるであろう」と、宗矩も異存なく、「大事に参れよ」路銀や小袖の餞別(はなむけ)など、何くれとなく、さすがに離情をこめて心づけてくれる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...何くれとない物すべてが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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