...だがスリラアという低調な名称にはあたらぬけれども...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...読者諸君は低調な読物ほど「ゾクゾク」「ブルブル」「ハラハラ」「ヒヤヒヤ」「ドキドキ」「ドキン」「ゾーッと」「ギョッと」「アッと」「ハッと」「キャッ」「ゲッ」などの言葉に満ちているのを思い出すことができるであろう...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...低調な作物にそれが頻出(ひんしゅつ)するのはむしろ当然のことである...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...一概(いちがい)に低調なものと思い込んでいるむきがあるかも知れないと考えたことが...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...われわれの芸術の効果は単にこの低調な状態を安楽にし...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...低調ながらも大衆的にはこんなところも...
徳田秋声 「縮図」
...却って文学的作文や身辺雑記と云ったような低調な一種の創作に変質して了うし...
戸坂潤 「思想としての文学」
...日本の文学は低調なのではないか...
戸坂潤 「思想としての文学」
...おそろしく平凡低調な善良さだけがあり...
豊島与志雄 「風俗時評」
...もとより渡り者のマドロス上りだから、高尚な音楽の趣味があるはずはないけれども、粗野と、低調ながら、異国情調を漂わせて見せるだけは本物です...
中里介山 「大菩薩峠」
...「思い出す事など」は平凡で低調な個人の病中における述懐(じゅっかい)と叙事に過ぎないが...
夏目漱石 「思い出す事など」
...容易に低調な思想を詩に作りあげてしまふ...
萩原朔太郎 「青猫」
...即ち何等の音樂的抑揚なき普通の低調な實感を...
萩原朔太郎 「青猫」
...低調な精神をもってこの壮烈な魂になにをいいかけようというのか...
久生十蘭 「黒い手帳」
...読売の評に曰く「こんな低調なものを緑波は満足してやってゐるのか」これだからいやんなる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...低調な通俗作品めいたものだつた...
牧野信一 「浪曼的月評」
...辛くも伝来の営業をつゞけてゐたが已にその舗のたゞずまひは安価低調なバラック同様の和洋折衷館となつてゐて...
正岡容 「山の手歳事記」
...この場合その意図も成果も共に低調なのが...
三好達治 「万葉集の恋歌に就て」
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