...これを求めてその條件に適はざるものを除外し行くとき最後に殘るものは極めて貧弱な低級な藝術のみとなるに違ひない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...知られている限りの最も低級な形から始めて...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...これは実在論としてもっとも低級な立場であって...
井上哲次郎 「明治哲学界の回顧」
...低級な雑誌の口絵を模写したり...
上村松園 「雷同性に富む現代女流画家」
...三年経ってから復(ま)たポツポツと美妙の名が低級な雑誌に見え出して...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...日本画の生命はこのような低級な芸当にあるとは思われない...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...こういう意味で私は本当の漫画と低級なポンチあるいはくすぐり画とを区別したい...
寺田寅彦 「漫画と科学」
...これまで彼を支配していた『いろんな低級な動機』を克服して...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...わたしは自然かれらを自分より低級な人間と考えるようになった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...無価値に等しい低級な小説の類だと云っていい...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...巨石の運搬どころかごく簡単な農耕技術さえ知らぬ・低級な現住民の存在を知っているだけである...
中島敦 「環礁」
...大衆は低級なものだ...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...党利党略、嫉(ねた)みあい、縄張り争い、愚劣な罵詈讒謗(ばりざんぼう)、低級な弥次、わざとの喧嘩、議事規則の無視、あげくの三八にゃ、ゴロツキでもやらんげな、気違いじみた取っ組みあい、乱闘騒ぎ――さぞかし、吉田磯吉親分の働きどころが、多かったろうや」「若松市会だけでも、今度は、民政党の天下にならんようにせんといかんなあ」金五郎が、決意のほどを示す語調で、いった...
火野葦平 「花と龍」
...一般的に見ればそこにかなり低級なものもあるが...
藤島武二 「画室の言葉」
...あの高貴な御身分でと低級な頭のものさえも御同情して泣かない者はなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これに比べるなら一般民衆が用いる民器の如きは低級な美より示し得ないものとして侮蔑されました...
柳宗悦 「民藝の性質」
...低級な謎々の魅力を以て大衆の注意を惹付(ひきつ)けた...
夢野久作 「探偵小説の真使命」
...やはり投げ売物の交つてゐる事は日本の低級な古道具屋や古著商と同じであらう...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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