...オーストラリアの原始住民は甚だ低級な文化の段階に立っている...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...三年経ってから復(ま)たポツポツと美妙の名が低級な雑誌に見え出して...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...そして高級なものか低級なものか...
太宰治 「津輕地方とチエホフ」
...日本人の頭脳の低級なためではないということはたしかであろうと思う...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...こういう意味で私は本当の漫画と低級なポンチあるいはくすぐり画とを区別したい...
寺田寅彦 「漫画と科学」
...洋楽洋画はもちろん歌舞伎(かぶき)や日本の音曲にすら全然鉄聾(かなつんぼ)の低級なのが多く...
徳田秋声 「縮図」
...僅かに生存を維持するだけのような低級なものではなく...
豊島与志雄 「今日の条件」
...低級な思想、卑しい妥協、また彼が数か月来住んでいた腐爛(ふらん)空粗な雰囲気(ふんいき)などにたいして、早晩反動が来るべきであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...巨石の運搬どころかごく簡単な農耕技術さえ知らぬ・低級な現住民の存在を知っているだけである...
中島敦 「環礁」
...ひどく低級なものであった...
中谷宇吉郎 「千年の時差」
...よほど低級な道徳に甘(あま)んじて平気でいなければならないのに...
夏目漱石 「私の個人主義」
...かれの神経は低級な音や...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...私は或程度まで低級な人達の間に入って苦痛なしに彼の人が暮せるかどうかと云う事である...
宮本百合子 「M子」
...あの高貴な御身分でと低級な頭のものさえも御同情して泣かない者はなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたしは低級な人間にすぎない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...わざと卑しい低級な流行歌だの...
山本周五郎 「陽気な客」
...煎じ詰むれば人間性の低級な表現に過ぎぬという事は誰しも認むるところであろう...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...ストーリーの面白味、背景、扮装の迫真、史実との一致なぞいう非芸術な要素を喜ぶ低級な観客や、低級な通人、批評家の勢力はいつの世にも絶えない...
夢野久作 「能とは何か」
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