...愚劣低級な囈語(げいご)を以(もっ)て...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...私に彼がどんな低級な頭の持主であるかと云ふ事を思はせました...
伊藤野枝 「ある女の裁判」
...少し低級なとこあるのんと違うやろか」「そうかも知れんわな」「あたしかて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...しかし、これは芸術どころか、低級な、通俗な、拙い田舎絵師の書いた地獄極楽の絵でも見せられたやうな気がした...
田山録弥 「三月の創作」
...それに、全体からいつても、すつきりしたところがなくなつて、いやに低級な、感傷的な分子が多くなりはしないか...
田山録弥 「三月の創作」
...それは余り低級な考へ方といはなければならない...
田山録弥 「三月の創作」
...日本人の頭脳の低級なためではないということはたしかであろうと思う...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...連句が全体を通じて物語的な筋をもたないから連句は低級なものであると考えるのは...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...この統制なる言葉の低級なデマゴギーとしての特色が...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...これまで彼を支配していた『いろんな低級な動機』を克服して...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...よほど低級な道徳に甘(あま)んじて平気でいなければならないのに...
夏目漱石 「私の個人主義」
...アメリカの蒙昧人のより低級な種族における教育の全方針であるように私には思われる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...恐らくは人をおとしいれる事を職とする憎む可き程淺薄低級なる新聞記者には理解出來まい...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...若しも低級なる興味でも敢へて構はず...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...嘉吉がひよつとしたら行つてゐさうな二三の低級なバーを覗いて見て...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...私は或程度まで低級な人達の間に入って苦痛なしに彼の人が暮せるかどうかと云う事である...
宮本百合子 「M子」
...その低級なるものを貌を師とすといへり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...私は何時(いつ)でも我身の分を知って低級な心境から発言しているつもりである...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
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