...衣服に関しては、日本固有のものと同様、我々のに比べてより楽な固有の衣服を固守する支那人の方が、余程品位が高い...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...地位が高いので、村の全景がすつかり手に取るやうに見えて、尾谷川の閃々(きら/\)と夕日にかゞやく激湍(げきたん)や、三ツ峯の牛の臥(ね)たやうに低く長く連(つらな)つて居る翠微(すゐび)や、猶(なほ)少し遠く上州境の山が深紫の色になつて連(つらな)り亘(わた)つて居る有様や、ことに、高社山(かうしやざん)の卓(すぐ)れた姿が、此処から見ると、一層魁偉(くわいゐ)の趣(おもむき)を呈して居るので、その雲煙の変化が少なからず、自分の心を動かしたのであつた...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...加之(それに)宮ちゃんは非常に気位が高い...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...そういう商店はなんとなくお役所のように気位が高いというのか横風(おうふう)だというのか...
寺田寅彦 「二十四年前」
...父は安西より地位が高いのであるから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...社会的地位が高いから...
中里介山 「大菩薩峠」
...実を言うと、わたしは日頃あなたから、岩倉三位はエライエライと言われるものだから、よっぽどの人物と思っていましたがねえ、今日はじめて、あの中庭の柴戸から、ひょっこり姿を現わしたその人を見て、非常な幻滅を感じましたよ、あの通り、背は低いし、色は黒い――背は低く、色は黒くても、人品とか、男ぶりとか立勝(たちまさ)ったものがあればまだしもだが、ひょっこり着流しで、鍬(くわ)を下げて面(かお)を出したところを見て、非常な失望を感じましたよ、こんな風采の揚らない男に、いったいどれだけのエラさが隠れているのか、こんな人物を、エライエライと担ぎ上げ、持ち上げるのは、大久保さんにも似合わないことだ、お公卿(くげ)さんに免じてのお追従(ついしょう)だろう、本来、お公卿さんなぞに、そんなにエライ人物が有りようはずはない、位が高い、伝統が物を言うから、人があんまり持ち上げ過ぎる、というよりは、天下の志士とかなんとか威張ってみても、所詮地下(じげ)の軽輩の眼には位負けがする、そうでなければ、仕事の都合上、持ち上げて置いて利用する程度のものにしか考えられなかった、岩倉とて何ほどのことがあろうと、あの瞬間に、わしは一種の軽蔑の念をさえ持ちましたがな、あのそれ、庭に手ずから築いた土饅頭(どまんじゅう)を指して、今ここへ人間の生腕を埋めたところだ、誰かいたずら者めが、賀川肇の腕を切って来て、三宝にのせて玄関へ置きばなしにして行ったから、それを今ここへ埋めたところだと、平然として談(かた)っているあの度胸には、実際驚きましたなあ、当時、豪傑といわれる武家の大名のうちにも、あれだけの度胸を持った奴はありますまい、刺客を前にしてあの底の知れない図々しさを持った者は、血の雨をくぐって来た浪士のうちにも、あんまり多くはない、お公卿さんにも、あれだけの度胸があるものかと、僕はまずそれで参ったよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...大阪の看護婦は気位が高いから...
夏目漱石 「行人」
...おそらくあの人たちは多くの役人よりも地位が高いんです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...お前は氣位が高いから源さんと一處(ひとつ)にならうとは思ふまい...
樋口一葉 「にごりえ」
...お前は気位が高いから源さんと一処(ひとつ)にならうとは思ふまい...
樋口一葉 「にごりえ」
...世襲地位が高いようですが」フェンウィックがニヤリ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...気位が高いですから...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...篠「どうして向うの気位が高いから...
三宅花圃 「藪の鶯」
...鈴木一族の社会上の地位が高いため...
柳田国男 「故郷七十年」
...その八日間の義務とかいうやつを」一二フィリップは気位が高いというようなところはいっこうない...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...「猫のほうが気位が高い...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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