...龕(がん)の中に佇(たたず)んだ聖者の像を照らしている...
芥川龍之介 「おしの」
...庭の木立を洩れる音を塀越しに聞いて茫然(ぼんやり)と佇立(たちどま)る人も大分あるさうだ...
内田魯庵 「犬物語」
...どんなことを話しているであろう? と冷たい黒闇(くらやみ)の夜気の中にしばらくじっと佇(たたず)んでいても...
近松秋江 「霜凍る宵」
...しかし誰かがそこに佇んでいるということは...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...そこに佇んでしまったのである...
豊島与志雄 「秦の憂愁」
...扉口に佇みました...
豊島与志雄 「旅だち」
...日本服の着流しの男が佇んでいた...
豊島与志雄 「楊先生」
...ぼんやり身動きもせず佇(た)っていました...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...老聖人は佇立瞑目(ちょりつめいもく)することしばし...
中島敦 「弟子」
...しばらく門前に佇(たたず)んだ...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...こう決心してのそのそ御両君の佇立(ちょりつ)しておらるる傍(そば)近く歩み寄って見ると...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...横合の物影に佇(たたず)んで...
松永延造 「アリア人の孤独」
...ふと私は木立を越した家の方で「新様新様」と呼ぶ女中の声に気がつくと始めて闇に取り巻かれうなだれて佇(たたず)む自分を見出して夜の恐怖に襲われた...
水上滝太郎 「山の手の子」
...いつものやうに暫らく私を佇ませたが...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...薄暮の海から吹く風が荒く且つ寒くて崖下の佇立をも徘徊をも許さなかつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...一方に佇立(ちょりつ)したひとりの大将がある...
吉川英治 「三国志」
...陣外の丘の端に佇(たたず)んでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...壁の外に佇(たたず)んでいる者が気の毒になったので...
吉川英治 「宮本武蔵」
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