...藤下(とうか)の明子は凝然(ぎようぜん)として彫塑(てうそ)の如く佇(たたず)めり...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...暫く歩を止めて佇(たたず)んだ...
梅崎春生 「日の果て」
...眼を瞠(みは)って佇まずにはいられなかったのであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...奥様」と母親は縁側に佇(たたず)んで...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...私はこちらの路次の入口のところに佇立(たちど)まって「ははあ」とばかりその様子を見ながら...
近松秋江 「霜凍る宵」
...その後方に佇んだ深雪を...
直木三十五 「南国太平記」
...さうして彼は、その眞ん中に、次第に燃え擴がつてゆく旗のもとに、佇立してゐた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...ところで私が河内山の墓前に佇む毎に...
正岡容 「下谷練塀小路」
...ピューピュー筑波ならしの吹く寂しい四谷の大通りに佇(た)っていて...
正岡容 「小説 圓朝」
...町家の内儀らしい女中が白い顔をほんのりと浮しながら佇(たたず)んでいた...
室生犀星 「蛾」
...いつも永く門のところに佇(た)って見送っていた...
室生犀星 「幼年時代」
...今はただ温突(オンドル)の煙出しのみが小山に沿うて淋しく佇(たたず)んでいる...
柳宗悦 「民藝四十年」
...よく買喰ひした店のあとなどについ佇んでしまつたりする...
吉川英治 「折々の記」
...佇立(ちょりつ)しているのも忘れて...
吉川英治 「三国志」
...闇に佇(たたず)んでいる顔は一人らしい...
吉川英治 「新書太閤記」
...そこの辻に佇(たたず)んで笑いあっている一群(ひとむれ)を見ると近づいてきて...
吉川英治 「親鸞」
...じっと伝七郎の方を見ながらしばらく佇(たたず)んでいた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...殆んど骨ばかりの人間が岩上に佇んで居るとしか見えない...
若山牧水 「古い村」
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