...新公は其処に佇(たたず)んだ儘...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...その辻の薄暗い光の下に暫く佇立していたが...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...手に手に懐中電燈をかざして佇んでいた...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...沈丁(じんちょう)の香の石階に佇(たたず)みぬ四月十二日 笹鳴会...
高浜虚子 「六百句」
...蔓(つる)蔦(つた)の壁に這(は)うた博士邸の古びた入り口に佇(たたず)んで待つことしばし...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...私はそこに佇んで...
豊島与志雄 「オランウータン」
...とある軒先に佇んでいる真白に鉛白(おしろい)をつけた女をふと庄吉は見た...
豊島与志雄 「少年の死」
...壁に半身を寄せかけて佇みながら...
豊島与志雄 「野ざらし」
...小門に佇(たたず)んでいると...
直木三十五 「南国太平記」
...岸の上なる水茶屋には赤き塗盆(ぬりぼん)手にして佇立(たたず)む茶汲(ちゃくみ)の娘もろとも...
永井荷風 「江戸芸術論」
...石の上に佇(たた)ずんで首を傾(かたぶ)けているところへ...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...しばらく戸の前に佇立(たたず)んだ...
夏目漱石 「明暗」
...水車場のあった跡に佇(たた)ずんでいたのだった...
堀辰雄 「美しい村」
...声なくして静かに佇(たたず)む悲母の観音は貴方がたの愛した姿であった...
柳宗悦 「民藝四十年」
...私はちょうど予期していたかのようにギクンとして立ち佇まった...
夢野久作 「少女地獄」
...戴宗の後ろへ来て佇(たたず)んでいた李逵が...
吉川英治 「新・水滸伝」
...たくさんの見送り人が佇(たたず)んでいた...
吉川英治 「源頼朝」
...私はまばゆい程華やかな店先に佇(たたず)んでトント夢中に見惚(みと)れて居たものと見え...
若松賤子 「黄金機会」
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