...但し多数の主張で...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...但しこの薪炭業も...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...――但馬に会うと...
高見順 「如何なる星の下に」
...但馬さんは大声で、えらい! とおっしゃって立ち上り、椅子に躓(つまず)いて転びましたが、あの時は、私も但馬さんも、ちっとも笑いませんでした...
太宰治 「きりぎりす」
...但(ただ)し、この朗読時間は、五分以内...
太宰治 「正義と微笑」
...後に妙子はこの時のいきさつを櫛田(くしだ)医師に語ったが、櫛田医師の説では、耳の手術から黴菌が這入って四肢(しし)を侵すと云うようなことは、たとい一流の専門医が注意に注意して手がけても往々あり得ることで、医師も神様でない以上、絶無を期する訳には行かない、但(ただ)し、手術の後で万が一にも黴菌が這入った疑いがある場合、患者が身体の何処かに些(いささ)かでも疼痛(とうつう)を感じたような場合には、間髪を入れず外科医を招いて処置しなければ手後れになる危険がある、それは実に寸秒を争うのである、と云っていた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...日常語に於て最も根柢的――但し日常語として根柢的な――名辞を採用する必要のある吾々は把握を択ぶ...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...この空間は時間(但し物理的時間)・重力・電磁気・物質・等を自分自身の変容に過ぎないものとして包含する...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...社会民主主義者の言論でも社会ファシストの言論でさえも許されないのである(但ししばらく前までは国粋的ショーヴィニストは大威張りで講演をやったものだが)...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...その血路の一つが(但し唯一の血路ではないが)ここにあるのであって...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...但し伯は政権に近接したる機会に於ても...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...但し、その表現はいつもの通り度を越して間(ま)の抜けたものであり、その発声は曖昧(あいまい)で緩慢で、かつ何度も同じ事を繰返すのだから、解りにくいこと夥(おびただ)しい...
中島敦 「狼疾記」
...但し機運の熟さなかつた爲めに...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...じゃによって頼みたいことがある――まそッと近う」二一「わかったな!善悪無(さがな)い口をふさいでくれるよう、よきに頼むぞ」と、三斎隠居は、苦みを嘗(な)めるような口つきをしていって、門倉平馬を、ジッと見て、「但し、仕損ずるにおいては、恥辱の上塗り――貴さま、二度と出入りを許されぬばかりか、きびしい目に逢うであろうぞ」「ハッ、委細(いさい)、わかりましてござりまする」「のみならず、このことを知るもの、かの者のみでは無いと思う...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...但し六区のである...
山本笑月 「明治世相百話」
...但し、その時に飲酒していない者、又はアルコール中毒者でなければ単に阿片程度の愉楽な麻酔を感ずるに止まるという、極めて便利なものでありますが、非常に得難い液体でありますから大切に保存致しておりましたものが、計らずも今度役に立つ事と相成った次第であります...
夢野久作 「暗黒公使」
...但し、ここに一つの不思議な事と申しまするのは、その愛国団の一味のほかに今一人、一人の兇漢が、カフェー・クロコダイルの中に忍び込んでいたことで御座います...
夢野久作 「冥土行進曲」
...柳生但馬守のためにかいて与えたという不動智神妙録...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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