...但しここに「ありのまま」と言ふは「彼自身の見たるありのまま」なり...
芥川龍之介 「小説作法十則」
...其地如レ敷レ玉、闕台映、楼台玲瓏、目所レ不レ見、耳所レ不レ聞、携レ手徐行、到二一大宅之門一、女娘曰、君且立二此処一開レ門入レ内、即七豎子来相語曰、是亀比売之夫也、亦八豎子来相語曰、是亀比売之夫也、茲知二女娘之名亀比売一、乃女娘出来、嶼子語二豎子等事一女娘曰、其七豎子昂星也、其八豎子者畢星也、君莫レ恠終焉、即立レ前引導、進入二于内一、女娘父母共相迎、揖而定坐、于レ斯称二説人間仙都之別一、二談議人神偶会之喜一、乃薦二百品之芳味一、兄弟姉妹等、挙レ杯献酬、隣里幼女等、紅顔戯接、仙歌寥亮神逶、其為二歓宴一、万二倍人間一、於レ茲不レ知二日暮一、但黄昏之時、群仙侶等漸々退散、即女郎独留、雙眉接レ袖、成二夫婦之理一、万葉詩人は「二人入居て、老もせず死にもせずして、永世に有けんものを」と歌い、『古事記』は海神の宮殿を形容して、「魚鱗の如(ゴト)作れる宮」と云い、二神結婚の条に、美智の皮八重を敷き、其上に畳八重を敷きしを記す...
高木敏雄 「比較神話学」
...で、幸子は菅野の未亡人に宛てて、それでは御好意に縋(すが)ってお招きを受けることにしたから万事宜しくお願いしたいこと、当人も快くそのお方にお目に懸ると云っていること、お伺いするのは私と、雪子と、妙子と、悦子の四人であること、但(ただ)し、勝手を申し上げて済まないけれども、悦子は長い間病気をし、この間床上げをしたところで、引き続き学校を休んでいるので、此方の都合は、今度の土曜日曜よりも、金曜土曜の方が好いこと、見合いのことは悦子には知らせないようにしたいので、何処迄も蛍狩と云うことにして置いて戴きたく、その点お含みを願いたいこと、等々を云ってやったが、日を一日繰り上げたのは、大垣から真っ直ぐ東京へ帰ると云う雪子を、三人が蒲郡(がまごおり)まで送って行こうと云うことになったので、金曜日に菅野方へ泊り、土曜日には常磐館(ときわかん)まで延(の)すことにしたからであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...但(ただ)し近来は流石(さすが)に年を取って来たので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...但(たゞ)しは無(な)しにせうか?ベンあのやうな冗繁(あくど)いことは最早(もう)流行(はや)らぬ...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...それは意識――但し無論特殊の種類の意識――である...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...但だ侯は局面展開に付て別種の成算あるを以て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...但記二春耕秋收一爲二年紀一...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...但しこれを見て別に怪しむ者もなきが如し...
永井荷風 「洋服論」
...但(た)だ、そのかわり、火の消えたように、鎮(しず)まッてしまい、いとど無口が一層口を開(き)かなくなッて、呼んでも捗々(はかばか)しく返答をもしない...
二葉亭四迷 「浮雲」
...但し余は都合があって立たぬぞ」と言ったら又大受け...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...但し、明日の記者招待日だけはたのむと言ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...但し袴といふによりてこの恋は門地ある人の恋と知るべし...
正岡子規 「俳諧大要」
...但貫之は始めて箇様な事を申候者にて古人の糟粕にては無之候...
正岡子規 「再び歌よみに与ふる書」
...但し、彼女の芸術の過程を愛するものでなければ、この絵はサロン用ではないからなかなかむずかしい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...とくに但馬に関する学問などが...
柳田国男 「故郷七十年」
...但、博多語が日本の標準語でないために、その洒脱な言葉癖をスケッチしてピントを合わせる事が出来ないのが、千秋の遺憾である...
夢野久作 「近世快人伝」
...老中の秋元但馬守の私邸を訪うて来たとかいって...
吉川英治 「大岡越前」
便利!手書き漢字入力検索