...但し率直な親(したし)みのある手紙だった...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...但しは万事心得ていて...
江見水蔭 「備前天一坊」
...但馬はと美佐子が言うのが...
高見順 「如何なる星の下に」
...但馬さんのお蔭よ...
太宰治 「きりぎりす」
...但(ただ)し、中の二人は何か話し合っていて気が付かなかった様子であったが、「お春どん、旦那さんにも悦子にも云うたらいかんよ」と、幸子は直ぐに口止めをした...
谷崎潤一郎 「細雪」
...但(ただ)し賞与なかりし者は金弐円也とあった...
寺田寅彦 「枯菊の影」
...但し絶版にした旧著『現代のための哲学』中から...
戸坂潤 「思想としての文学」
...但し、昔の支那人のいふ茘枝と我々の呼ぶ茘枝と、同じものかどうか、それは知らない...
中島敦 「環礁」
...池の景色鮒の動靜悉く寫生なり陳腐ならず)○虚子曰く若い男女が相會して互に思ふはありふれた趣向なり但二日間の出來事と云ふに重きを置いて...
夏目漱石 「鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年」
...但しこの大抵と云う度合は両人(りょうにん)が勝手に作ったのだから他人の場合には応用が出来ないかも知れない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...但し、いつまでに、どこへ、着かなければならぬといふ制限はなかつたので、それに、これがドイツの見納めだといふ氣持もあつたので、至つてのんきな心がまへで車に搖られてゐた...
野上豐一郎 「キフホイザー」
...但しは馬耳東風と聞き流しそれを黙殺せらるるかもとより予想は出来ないが...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...(但し壮大雄渾の句は芭蕉これあれども後世に至りては絶えてなし)故に俳句を学ぶ者消極的美を惟一の美としてこれを尚(とうと)び...
正岡子規 「俳人蕪村」
...但し直(たゞち)に兩商え賜はらず...
松浦武四郎 「他計甚※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57](竹島)雜誌」
...但近郊が向島でなかつたことは後に其証がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...但し決して語音の類似...
柳田國男 「蒼海を望みて思ふ」
...但(ただし)、手紙は見たと云うから、何故返事を呉れなかったのかと聞いて見ると、「田舎者はオセッカイだなあ」とあべこべに笑われた...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...武蔵は、但馬守に、上座を譲るべく、席を退(さ)がりながら、「暗うはござりましたが、あの壁の陰にひそと澄んでいた剣気、またここのお顔ぶれといい、但馬様を措(お)いて、余人であろうとは思われませぬ」と、答えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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