...東の方の火は、佐久間町から柳原を一嘗めにして、浜町、霊岸島、新堀から鉄砲洲(てっぽうず)に移って、百余艘の舟を焼いたがために、佃島、石川島に燃え移り、それから深川に移り、牛島、新田にまで往った...
田中貢太郎 「日本天変地異記」
...佃島(つくだじま)の図...
永井荷風 「江戸芸術論」
...佃島(つくだじま)では例年の通り狼烟(のろし)の稽古(けいこ)の始まる頃とて...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...住吉(すみよし)を移奉(うつしまつ)る佃島(つくだじま)も岸の姫松の少(すくな)きに反橋(そりばし)のたゆみをかしからず宰府(さいふ)は崇(あが)め奉(たてまつ)る名のみにして染川(そめかわ)の色に合羽(かっぱ)ほしわたし思河(おもいかわ)のよるべに芥(あくた)を埋(うず)む...
永井荷風 「日和下駄」
...佃島の砂の上にボオトを引上げ浸水をかい出しながら相談をした...
永井荷風 「日和下駄」
...曰(いわ)く佃島(つくだじま)...
永井荷風 「日和下駄」
...自分の眼は忽(たちま)ち佃島(つくだじま)の彼方(かなた)から深川へとかけられた一条(ひとすじ)の長い橋の姿に驚かされた...
永井荷風 「深川の唄」
...佃島(つくだじま)もすっかり焼けてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...新佃島から――明治四十年代から大正震災(さい)すこし前まで住んでゐた――宅(うち)の門前から永代橋まで渡船をつくらせたことがあつたが...
長谷川時雨 「河風」
...丁度よい外套になりはしたが――私の父は晩年を佃島(つくだじま)の...
長谷川時雨 「木魚の配偶」
...新佃島(しま)全体ででもあるような感じに...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...佃島(つくだじま)の船宿のお静という末むすめを女房にもらったンですが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...(この一句左団(さだん)調)拍子木(ひょうしぎ)幕(五月二十一日)遠洋へ乗り出して鯨(くじら)の群を追ひ廻すのは壮快に感ぜられるが佃島(つくだじま)で白魚舟(しらうおぶね)が篝(かがり)焚(た)いて居る景色などは甚だ美しく感ぜられる...
正岡子規 「墨汁一滴」
...闇の向うに佃島(つくだじま)の燈がちらちらとまたたいていた...
山本周五郎 「追いついた夢」
...佃島(つくだじま)をまぢかに...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...西に佃島(つくだじま)が...
山本周五郎 「さぶ」
...佃島(つくだじま)の南の海面を...
山本周五郎 「山彦乙女」
...日本橋箔屋町から出て佃島(つくだじま)まで焼いた大火...
山本笑月 「明治世相百話」
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