...昨夜相逢った時のことに慕わしく懐かしく嗅(か)いだ伽羅の香も今朝はかえって心憂い種となる...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...前には伽羅(きゃら)や松や躑躅(つつじ)や木犀(もくせい)などの点綴(てんてつ)された庭がひろげられてあって...
田山花袋 「田舎教師」
...『伽羅枕(きやらまくら)』だとか...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...『伽羅枕』は百囘近く続いた...
田山録弥 「紅葉山人訪問記」
...この年朝日新聞記者栗島狭衣(くりしまさごろも)君牛込下宮比町(うしごめしもみやびちょう)の寓居に俳人谷活東(たにかっとう)子と携提(けいてい)して文学雑誌『伽羅文庫(きゃらぶんこ)』なるものを発行せんとするや矢来に来りて先生の新作を請へり...
永井荷風 「書かでもの記」
...尺八を吹いているのは金伽羅童子(こんがらどうじ)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...昨夜(ゆうべ)の金伽羅童子と制多伽童子のことが思い出され...
中里介山 「大菩薩峠」
...七平に劣らず伽羅大尽に喰い下がっております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...盜賊は入りませんかと――いや待て/\――大名屋敷に伽羅(きやら)や沈香(ぢんかう)があるのは不思議はないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...わざわざ長崎から伽羅を引き...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...娑伽羅等八竜王のごときは...
南方熊楠 「十二支考」
...その時一の夜叉名を賓伽羅(びんがら)と呼ぶ者曠野に住んで血肉を食い...
南方熊楠 「十二支考」
...南蛮渡来の伽羅の香木を買いに行ったとき...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...ふたつの枕に焚きこめてある伽羅(きゃら)の香が...
吉川英治 「私本太平記」
...倶利伽羅には、さきに佐々方が、砦(とりで)を設け、前田方の津幡(つばた)、鳥越(とりごえ)に備えてはいたが、そこの小規模をもって、かれを圧するには足りず、守るには、火急の場合、後方との連絡や援護に、余りにも遠く、また地勢の不便が甚だしかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...ここは三国山の南、倶利伽羅の西、どっちを望んでも、山また山の山城である...
吉川英治 「新書太閤記」
...有名な“倶利伽羅(くりから)の合戦”を境として急角度に革命の達成を告げ...
吉川英治 「随筆 新平家」
...案外もろくポロリとおれに落ちてくるかもしれないわえ……」ひそかに伽羅(きゃら)の薫(かお)りを偸(ぬす)み...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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