...伽羅の油のにほひと...
芥川龍之介 「世之助の話」
...紅梅や見ぬ恋つくる玉簾(たますだれ)芭蕉短夜や伽羅(きゃら)の匂ひの胸ぶくれ几董(きとう)というような恋句のごときものでもちゃんと太字のような季のものが読みこんであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...ひまなときには伏籠(ふせご)をおいて着物に伽羅(きゃら)をたきしめたり腰元たちと香を聴いたり投扇興(とうせんきょう)をしたり碁盤(ごばん)をかこんだりしている...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...伽羅蕗はうまくできるらしい...
種田山頭火 「其中日記」
...紅葉は『伽羅枕』を牛込(うしごめ)の北町の家で書いた...
田山録弥 「紅葉山人訪問記」
...伽羅(きゃら)の歌口(うたぐち)を湿(しめ)して吹く「虚鈴(きょれい)」の本手...
中里介山 「大菩薩峠」
...もとはしかるべきさむらいの子であったとかいうことですが、みなし児になってこの家に引取られ、実の名もあるにはあるが、この楼(いえ)の者は二人を呼ぶに、金伽羅、制多伽の名を以てして、その実の名を呼ぶ者がありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...その一人は金伽羅童子(こんがらどうじ)...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれが伽羅と判るまでに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...伽羅(きやら)大盡の貫兵衞です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鎌倉河岸までわざ/\伽羅(きやら)の油を買ひに行くのか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...日本で云ふ伽羅の木が中国では沈香(ぢんかう)といふのだと知つたのも加野に教へられたからである...
林芙美子 「浮雲」
...ましてやその方が持ち帰り候伽羅は早速焚(た)き試み候に...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...ふたつの枕に焚きこめてある伽羅(きゃら)の香が...
吉川英治 「私本太平記」
...伽羅(きゃら)と汗の香を放ちながら...
吉川英治 「私本太平記」
...光秀のむすめの伽羅沙(がらしゃ)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...津幡と倶利伽羅(くりから)との中間――鳥越城(とりごえじょう)へ進路をとった...
吉川英治 「新書太閤記」
...前号の倶利伽羅谷の凄惨な大量戦歿の場面と...
吉川英治 「随筆 新平家」
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