...稚ない時から好きであつた伯母さんと昔談をする楽みをさへ擲(なげう)ち去つて...
石川啄木 「葬列」
...――昼餐(ひるげ)をば神子田(みこだ)のお苑(その)さんといふ従姉(新山堂の伯母さんの二番目娘で...
石川啄木 「葬列」
...伯母さん、死んでから、もう何年になるでせう?』『今年が十三年だよ』『さうなりますかね、もう――』かう屹驚(びつくり)するやうに言つて、お時は深く考へに沈んだが、やがて、『岡田の奥さんなんか、気品の高い、好い奥さんでしたね...
田山録弥 「ある日」
...あの人の伯母さん二人と...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...伯母さんのように...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...伯母さんの家へいらして下すったことも...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...地獄の釜の蓋のあく日がきて陰鬱な鐘の音が人を促すやうに鳴りはじめると伯母さんは気のすすまない私に花色の帷子(かたびら)をきせ...
中勘助 「銀の匙」
...それにもかかはらず迷信家の伯母さんはなんのかのといつて毎年つれてゆかずにはおかなかつた...
中勘助 「銀の匙」
...私はそれを気の毒がつて無上(むじよう)にせがんだけれどあんまり穢いのでさすがの伯母さんも二の足をふんで買つてくれなかつた...
中勘助 「銀の匙」
...伯母さんの袂につかまつて暫くそれを眺めて帰つた...
中勘助 「銀の匙」
...れんげのはなひーらいた……」小さな輪がそろそろ廻りはじめたのをみて伯母さんはすかさず囃したてる...
中勘助 「銀の匙」
...子煩悩な伯母さんはこんなにして小さな者を喜ばせるのがなによりの楽しみで自分もほくほくしながら「二人ながらかはええ かはええ」と両手でいつしよに背中をなでてくれる...
中勘助 「銀の匙」
...「伯母さんに会えばすぐわかるのよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...何刻(なんどき)だと思ふ」「そのせりふは伯母さんから聞き馴れてゐますよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...花菊といった自分の伯母さんの手許(もと)に...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...髪結銭(かみゆいせん)も伯母さん済みませんがという始末ですのさ...
二葉亭四迷 「平凡」
...「伯母さんの小言が台詞(せりふ)に聞えたり何かして...
二葉亭四迷 「平凡」
...いつぞや伯母さんが弘一さんのお墓の前でかう仰しやいました...
水野仙子 「響」
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