...芥川は伯母さんの枕もとにきた...
小穴隆一 「二つの繪」
...映畫に現はれる芥川は、誰れもがなつかしむ、颯爽たるおもかげはみせずに、世にも悲しい顏で出てくるのを豫かじめ覺悟でゐたが、「パパ木登りをしよう」といふ、覺えのなかつた傍若無人のその字幕には、僕は驚きもし、不服であり、得心できないことであつたから、その場で、芥川のところでは、當時、養父も養母も、伯母さんも、僕ちやん(比呂志君)までも、芥川を“龍ちやん”といつてゐたもので、芥川家はパパ、ママなどといふハイカラさの無い家であつたのだから、字幕は改むべきであると指摘して、比呂志君の同感を得たが、岩波の人は、龍ちやんではいまの人には通じないといつてゐるだけであつた...
小穴隆一 「二つの繪」
...伯母さんもお前のことを云って待ち兼ねてる」「ほんとに相済(あいすま)んことをいたしております...
陳玄祐 田中貢太郎訳 「倩娘」
...伯母さん、死んでから、もう何年になるでせう?』『今年が十三年だよ』『さうなりますかね、もう――』かう屹驚(びつくり)するやうに言つて、お時は深く考へに沈んだが、やがて、『岡田の奥さんなんか、気品の高い、好い奥さんでしたね...
田山録弥 「ある日」
...千代乃を待ちこがれて、長谷川は、三田の伯母さん、菊池久恵さんのところをも訪れた...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...副島の伯母さんの話相手になりながら...
豊島与志雄 「旅だち」
...国では伯母さん夫婦の人の好いのにつけこんで困つた者はもとより...
中勘助 「銀の匙」
...伯母さんは私を育てるのがこの世に生きてる唯一の楽しみであつた...
中勘助 「銀の匙」
...伯母さんは自分の子が死んでゆくやうに嘆いて「生れかへつてきとくれよ...
中勘助 「銀の匙」
...そんなことの好きな伯母さんは私にも人なみに襷をかけ...
中勘助 「銀の匙」
...そんな風で私がなにを食べてもうまがらないのを伯母さんは独得の弁舌で上手に味をつけてたべさせる...
中勘助 「銀の匙」
...そんな世話のすきな伯母さんは愚痴をいひいひ竹を立てて手をとつてやるとひと巻きふた巻きと日に日に蔓がまきついて...
中勘助 「銀の匙」
...それからは下の町の青物屋へ買ひにゆくことにしたが伯母さんはなにの苗を見ても瓢箪ぢやないかと疑つて...
中勘助 「銀の匙」
...伯母さんだのは?」「いゝえ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...年は自分より上であっても確かな後立てもなく厭なお伯母さんにホイホイして居なければならない人を想うと子は只仲よくして居るとか可愛がって居るとか云う丈ではすまない気になって居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...知れたものだよ」と云って居るので到々広い世の中に寄る辺ないお久美さんは山田の「伯母さん...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...伯母さんさえ人並で居て呉れたらと思う事よ...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...「アナタの伯母さんを殺してはイケマセン……」私は愕然(がくぜん)となった...
夢野久作 「冥土行進曲」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??