...』此伯母さんの一挙一動が悉く雨の盛岡に調和して居る...
石川啄木 「葬列」
...誰れか余所(よそ)の伯母さんが来て寸を取っているらしい...
寺田寅彦 「高知がえり」
...その良人が、若いおりには、或大名のお抱えであったりした因縁(いんねん)から、桜田の不意の出来事当時の模様を、この伯母さんは、お島に話して聞かせたりした...
徳田秋声 「あらくれ」
...そのとき困りはてた東桂さんが指に唾(つば)をつけて一枚一枚本をくつては薬箱から薬をしやくひだす様子は私を育ててくれた剽軽な伯母さんの真にせまつた身ぶりにのこつていつまでも厭(あ)かれることのない笑ひぐさとなつた...
中勘助 「銀の匙」
...伯母さんは「駝鳥がひもじがつとるにごぜんももらへんで気の毒な」といつて涙をこぼした...
中勘助 「銀の匙」
...伯母さんはそれをお犬様だといつて...
中勘助 「銀の匙」
...伯母さんが先に立つて庭の築山をぐるぐるまはり歩いたあげく石燈籠のまへで柏手をうちお詣りをして...
中勘助 「銀の匙」
...伯母さんは「ぽつぽどりは悪い鳥でひと声に蚊を千匹つ吐くげな...
中勘助 「銀の匙」
...私は松虫や鈴虫がほしいのにいつもきりぎりすしか買つてくれないのであるときわざと伯母さんの嫌ひながちやがちやを買つて夜どほし眠らせなかつたことがあつた...
中勘助 「銀の匙」
...おちやんは伯母さんのあけた障子からおとなしくはひつてきて「御無沙汰いたしました」としとやかに手をついた...
中勘助 「銀の匙」
...いや――拙者の伯母(おば)なんだが」「その伯母さん...
中里介山 「大菩薩峠」
...お登世を伯母さんの家へ送り屆けたんですか」「え...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私たちの伯母さんがこさへて下さつたの...
村山籌子 「お猫さん」
...そして伯母さんは私を捨てゝしまつたのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...四つ五つの子が隣の伯母さんに見せんとていと嬉しがる木履(ぽっくり)の鼻緒...
正岡子規 「わが幼時の美感」
...広島で寝ている伯母さんや...
三好十郎 「冒した者」
...深い恩のある伯母さんの病気だ...
山本周五郎 「季節のない街」
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