...今から四十年前に小説復刻の元祖たる南伝馬町(てんまちょう)の稗史(はいし)出版社に続いて馬琴の『俊寛僧都(しゅんかんそうず)島物語』や風来(ふうらい)の『六々部集』を覆刻したので読書界に知られた印刷所であった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...私はその頃京橋の南伝馬町の有隣堂という農業の書などを主として出版する本屋に...
田山花袋 「日本橋附近」
...伝馬町の神尾の邸の湯殿に火を焚(た)いている大男があります...
中里介山 「大菩薩峠」
...大伝馬町の佐久間勘解由の許(もと)をなぜ訪ねて参らぬのじゃ...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...これは伝馬町の仮牢から伴(つ)れて来た縄付のまま...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...伝馬町大牢は明治八年まで在存し...
長谷川時雨、三上於菟吉 「旧聞日本橋」
...小伝馬町三丁目、通油町と通旅籠町の間をつらぬいてたてに大門(おおもん)通がある...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...大伝馬町四丁目大丸呉服店所在地の地名が...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...大伝馬町四丁目(この一町だけ通(とおり)はたご町)大丸呉服店にては一月一日表戸を半分おろして...
長谷川時雨 「大丸呉服店」
...小伝馬町の古帳面屋の店蔵(みせぐち)の住居の二階で時折見かける...
長谷川時雨 「神田附木店」
...尤(もっと)も、大門通りは名のごとく万治の昔、新吉原へ廓(くるわ)が移(ひ)けない前の、遊女町への道筋の名であるゆえか、大伝馬町、油町、田所町、長谷川町、富沢町と横筋にも大問屋を持つ五、六町間の一角だけがことに堅気な竪筋なので、住吉(すみよし)町、和泉(いずみ)町、浪花(なにわ)町となると、葭(よし)町の方に属し、人形町系統に包含され、柔(やわ)らいだ調子になって、向う側の角から変ってくるのが目にたっていた...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...伏鐘の一味が与力か同心に化けて伝馬町の牢屋敷に行き...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...元和(げんな)以来の古式に則って大伝馬町の諫鼓鶏の山車が第一番にゆく...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...伝馬町の揚屋(あがりや)に入れて手酷(てきび)しく調べ詰めたが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...ホワイトホース一本持って、タクシー、赤坂伝馬町、久保田邸へ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ともに伝馬町(てんまちょう)の大牢にいた...
山本周五郎 「さぶ」
...「才次のやつは伝馬町へ移されたぜ」叺(かます)に詰めた牡蠣灰を...
山本周五郎 「さぶ」
...ここは伝馬町(てんまちょう)よりおっかねえところらしいからな...
山本周五郎 「さぶ」
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