...しかし幽霊を見たと云う話は未(いまだ)に時々伝えられる...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...とにかく世界中にこんな美味いものはあるまいと迄伝えられる黒部(くろべ)川の岩魚が...
石川欣一 「可愛い山」
...これも音が空気で伝えられることを示した大切な実験であります...
石原純 「ロバート・ボイル」
...つまり誰某(たれそれ)は誰某に靠(よ)って伝えられるのであるから...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...せめて私の現在の実生活そのままを言い伝えられるくらいの評判になったとき...
太宰治 「春の盗賊」
...」オリヴィエはクリストフからそういう懸念を伝えられるに及ばなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今ではその桑の木の若芽を接木したと伝えられる老樹は庭の隅に枝をひろげて日蔭を作っている...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...繊細な感覚は飜訳によって伝えられることが不可能である...
三木清 「如何に読書すべきか」
...宝暦元年名立崩れの直前に出現したと伝えられる光象も...
武者金吉 「地震なまず」
...その上恋愛という一つのことで後世へ自分が誤って伝えられるようになってはと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そういう無教育な鳴き方をするように伝えられる...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...その偉大なのに驚いたとも伝えられる...
柳田国男 「山の人生」
...それは古武士的な質素と剛健をとうとぶためだと伝えられるが...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...彼のすすめによって植えられたと伝えられるが...
山本周五郎 「桑の木物語」
...むかし鎌倉道だったと伝えられる草がくれの細径(ほそみち)を辿(たど)ってゆくと...
山本周五郎 「日本婦道記」
...生死不明となっていた姫路の黒田官兵衛であると伝えられると...
吉川英治 「黒田如水」
...三十二相を具備していたと伝えられる人間釈迦...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...天平五年に僧良弁(ろうべん)のために建立せられたと伝えられる三月堂中の乾漆諸像が...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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