...老爺は重い斧を揮つて森の木を伐る...
石川啄木 「散文詩」
...一歩すすめば山へ入って薪を伐る...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...おれたちは、ここを伐れといえば、ここを伐るし、あすこを削れといえば、あすこを削る、おゆるし通りに仕事をしている分のことだぜ」そこで七兵衛は沈黙してしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「誰がこの樹木を伐ることを許したのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこで、おれが、あわてて、これこれ岡野、松はういもの辛(つら)いものというから、松を憎がるのはいいが、その松は世間並みの松と違って、公儀御堀の松だぜ、一枝(いっし)を伐(き)らば一指(いっし)を切るというようなことになるぜ、めっそう重い処刑に会うんだぜ、それがいやだから、みんな松は憎いけれども、伐るのが怖い、よって今まで、こうして人命殺傷をほしいままにしつつのさばっているのだ、君にしてからが、めっそうなことをすると、前途有為の身体(からだ)に縄がかかるぜ、と言って聞かせると、岡野が、「なあに、お咎(とが)めがあるならばあれ、いやしくも人命を奪う植物をそのままには差置けぬ、罪はおれが着るから、貴様も手伝え」と言うから、よし来た! と刀を抜いて、枝をブチ切ってしまったよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...鉈とりて竹を伐るむらどりの塒竹むら下照りてにほふ柿の木散りにけるかも二十七日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...櫟林は薪に伐るのが目的なので団栗のなるまで捨てゝ置くのは一つもない...
長塚節 「隣室の客」
...鋸で幹を伐る音をきかせ...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...樹木を伐るだけでは...
林芙美子 「浮雲」
......
前田普羅 「普羅句集」
...また人によりてはこの木は伐ると芽が吹いて茂り易いから芽が張るの意味でハリと呼ぶのだといえど...
牧野富太郎 「植物記」
...林の方で折ふし木を伐る音がする...
水野葉舟 「黄昏」
...払わずば社殿を焼き払い神木を伐るべしと逼(せま)られ...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...竹は画くがごとく伐るべしとはわたくしの信条の一つであるが...
室生犀星 「庭をつくる人」
...深山に木を伐る者の発見したというのは...
柳田国男 「山の人生」
...桜を伐るのは、樹のために悪いというが、梅は伐るほどいいといわれ、それに南枝、東枝、やたらに伸びるので、よく伐られる...
吉川英治 「梅ちらほら」
...――この頃は、いくら樹へかかっても、今までは切れたぐらいな高さの梢も、急に斬れなくなってしまった」「それはふしぎだな」「だから、もう、樹を伐るのは、嫌(いや)になった...
吉川英治 「剣の四君子」
...桜は伐るな...
吉川英治 「新書太閤記」
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