...「今日この社寺の樹木をどんどん伐るということをやる...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...然して彼覚を召して問給うに、伐る所の木屑、毎日焼かば、果して尽きんと云う...
高木敏雄 「比較神話学」
...其木を伐ると云ふことに付いても大層御話がございますが夫は木を伐つたと一口に云ふ...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...そして密(マヽ)柑があつて(白船居)どうやら霽れさうな松のみどり沖から白帆の霽れてくる埋立地のそここゝ咲いてゐる頬かむりして夏めく風にそよいでる棕櫚竹の一本を伐る西瓜とパヽイヤとさて何を添へようか(白船居)春蘭そうして新聞むつまじく白髪となつてゐられる□星も見えない旅をつゞけてゐる□・岩へふんどし干してをいて・若葉のしづくで笠のしづくでよく話した...
種田山頭火 「行乞記」
...・うれしいたよりもかなしいたよりも春の雪ふる・けふも木を伐る音がしづかな山のいろ三月十七日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...おれたちは、ここを伐れといえば、ここを伐るし、あすこを削れといえば、あすこを削る、おゆるし通りに仕事をしている分のことだぜ」そこで七兵衛は沈黙してしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこで、おれが、あわてて、これこれ岡野、松はういもの辛(つら)いものというから、松を憎がるのはいいが、その松は世間並みの松と違って、公儀御堀の松だぜ、一枝(いっし)を伐(き)らば一指(いっし)を切るというようなことになるぜ、めっそう重い処刑に会うんだぜ、それがいやだから、みんな松は憎いけれども、伐るのが怖い、よって今まで、こうして人命殺傷をほしいままにしつつのさばっているのだ、君にしてからが、めっそうなことをすると、前途有為の身体(からだ)に縄がかかるぜ、と言って聞かせると、岡野が、「なあに、お咎(とが)めがあるならばあれ、いやしくも人命を奪う植物をそのままには差置けぬ、罪はおれが着るから、貴様も手伝え」と言うから、よし来た! と刀を抜いて、枝をブチ切ってしまったよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...鉈とりて竹を伐るむらどりの塒竹むら下照りてにほふ柿の木散りにけるかも二十七日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...ほしいままに搦みつく雲を伐るから...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...樹木を伐るだけでは...
林芙美子 「浮雲」
...鉢の木の梅松桜を伐りたる面影を留(とど)めて夏季の藜を伐るに転用したる処既に多少の厭味があるやうに思ふ...
正岡子規 「病牀六尺」
...林の方で折ふし木を伐る音がする...
水野葉舟 「黄昏」
...木を伐る者この樹を見ればすなわちこれを避く...
南方熊楠 「十二支考」
...ブロア附近にキリストの父が木を伐る時出した声...
南方熊楠 「十二支考」
...後(のち)江辺に至り荻(おぎ)を伐る...
南方熊楠 「十二支考」
...ある淵の上なる山にて樹を伐るとて...
柳田国男 「遠野物語」
...どれを伐るのかと見まわしていた...
吉川英治 「親鸞」
...その桑が普通見る様に年々に根もとから伐るのでなく...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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