...その衝動を社会は今継子(ままこ)扱いにはしているけれども――そして社会なるものは性質上多分永久にそうであろうけれども――その何処かの一隅には必ず潜勢力としてそれが伏在していなければならぬ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...そういう奴が伏在していたからである...
犬田卯 「瘤」
...何かしら恐ろしい秘密が伏在するのではあるまいか...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...恐ろしい秘密が伏在しているんだよ」諸戸が何を考えているのか...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...何人(なんぴと)もまだ知らない様な恐しい秘密が伏在しているのではないでしょうか...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...觀念なる語に兩義性が伏在すると...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...しかしこの物の形の基礎には立体的正多面体の基本定型が伏在していて...
寺田寅彦 「自然界の縞模様」
...自然科学的な問題が伏在していることが想像されるようである...
寺田寅彦 「破片」
...同様にいろいろの草花が子供の略奪趣味を刺激する効果の差別についてもまだ簡単な説明を許さない秘密な方則が伏在しているのではないかと思う...
寺田寅彦 「路傍の草」
...実はまず初めに自然弁証法と史的唯物論とが何等かの過程を通じて(ここにも亦同じ形の問題が伏在しているが)...
戸坂潤 「科学論」
...同重役と神兵隊との間に意外な関係が伏在していることが発見されることとなった為である...
戸坂潤 「社会時評」
...ここに伏在する疑問は...
戸坂潤 「生産を目標とする科学」
...彼はその中に神秘的な意味の伏在することを...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
......
長塚節 「土」
...世上幾多の尊厳と威儀とはこの湛然(たんぜん)たる可能力の裏面に伏在している...
夏目漱石 「草枕」
...何等か裏面に重大なる秘密の伏在せるを想像し得べき理由がある...
夢野久作 「少女地獄」
...当時江戸のどこかにも伏在していたに違いはなく...
吉川英治 「江戸三国志」
...その間に伏在する諸武門の心態など...
吉川英治 「新書太閤記」
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