...然れどもおもしろみのある所はまたくるしみの伏在する所にてその間一種いふべからざる苦痛も有之...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...恐ろしい秘密が伏在しているんだよ」諸戸が何を考えているのか...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...その根本には民族的競争が伏在するのである...
大隈重信 「大戦乱後の国際平和」
...そこに伏在していると存じます...
高神覚昇 「般若心経講義」
...地球の内部には恐らく激烈無比の烈火が伏在しているのであろうと思います...
高浜虚子 「俳句への道」
...何かその間に事情が伏在(ふくざい)するようでもある...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...この場合の摩擦によって金だらいの規則正しい振動の誘発される機巧についてはまだよくわからないことがかなりに多く伏在しているのである...
寺田寅彦 「日常身辺の物理的諸問題」
...広大無辺の自然にはなお無限の問題が伏在しているのに...
寺田寅彦 「物理学圏外の物理的現象」
...伏在するものを感じる必要のないような...
戸坂潤 「近衛内閣の常識性」
...同重役と神兵隊との間に意外な関係が伏在していることが発見されることとなった為である...
戸坂潤 「社会時評」
...税関戦・対内外思想戦・賃銀戦・対逓減利潤戦・対恐慌戦・等々が伏在するのだが...
戸坂潤 「社会時評」
...侯が今次の暴動を使嗾するものゝ宮中に伏在するを見て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自分は異樣に何物かゞ佐治君の心裡に伏在して居るのぢやないかとも思つた...
長塚節 「教師」
...世上幾多の尊厳と威儀とはこの湛然(たんぜん)たる可能力の裏面に伏在している...
夏目漱石 「草枕」
...けだしこの猴の脳裏に本来伏在せる睿智が人間に接して興起したので...
南方熊楠 「十二支考」
...不可思議を極めた因縁が伏在しておるので御座います...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...何が最も大きく伏在しているかといえば...
吉川英治 「新書太閤記」
...第三勢力の伏在とか...
吉川英治 「随筆 新平家」
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