...その衝動を社会は今継子(ままこ)扱いにはしているけれども――そして社会なるものは性質上多分永久にそうであろうけれども――その何処かの一隅には必ず潜勢力としてそれが伏在していなければならぬ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...恐ろしい秘密が伏在しているんだよ」諸戸が何を考えているのか...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...社会的に下層の家に生れたという劣等感が伏在している...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
......
関口存男 「移轍(Anakoluth)」
...そこに伏在していると存じます...
高神覚昇 「般若心経講義」
...一種の社会観の伏在することも...
高木敏雄 「比較神話学」
...現象の背後に伏在する機構への探究を阻止しようとすることがあるような気がする...
寺田寅彦 「雑記帳より(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...市電争議の原因はなかなか複雑で到底科学者などにはわからないような事がらがいろいろ裏面に伏在しているには相違ないであろうが...
寺田寅彦 「破片」
...自然科学的な問題が伏在していることが想像されるようである...
寺田寅彦 「破片」
...やはり前述の割れ目などと共通な「固有値」の問題の伏在することが想像され...
寺田寅彦 「物理学圏外の物理的現象」
...そしてそこに多くの伏在した弱点もあるのだが...
戸坂潤 「最近日本の科学論」
...侯が今次の暴動を使嗾するものゝ宮中に伏在するを見て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...他に発見する事の出来ないデリケートな美くしさが伏在しているのでしょう...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...この矛盾は時の觀念の中に伏在する問題を示唆するとしての意義はあらうが(一)...
波多野精一 「時と永遠」
...同岩形氏の横死の裏面に重大なる犯罪の伏在しおるを認め...
夢野久作 「暗黒公使」
...堀の茶漬屋で探(さぐ)り得た――事件の伏在人物や...
吉川英治 「大岡越前」
...その間に伏在する諸武門の心態など...
吉川英治 「新書太閤記」
...隠れもない徳川側の輿論にたいし、当然、大坂方にも強硬な輿論が、伏在していた...
吉川英治 「新書太閤記」
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