...しかし私はその写真を瞼(まぶた)に描きながら、女に身を任せる...
田中英光 「野狐」
...満足の笑(え)みを浮かべて虚無の息吹(いぶ)きに身を任せる柔懦(じゅうだ)な思想が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「もう運に任せる外はありません...
豊島与志雄 「生あらば」
...悪魔にも身を任せる...
豊島与志雄 「文学精神は言う」
...神様の御心に任せる他ありませんでした...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...ただ火の燃え広がるのに任せるばかり...
永井隆 「長崎の鐘」
...その取るに任せると...
中里介山 「大菩薩峠」
...身を任せる――言句(ごんく)は絶え果てた……男一匹がこの女のためにさんざんに翻弄(ほんろう)されていたのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...万事君の跋扈(ばっこ)に任せるといった風に寂寞(せきばく)を極(きわ)めた建物の中に立って...
夏目漱石 「明暗」
...平野に任せることゝし...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あのどえらいコプリが誰かに果物籠を任せる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...燃えるに任せるしかないだろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...――私は終ひにこれは何うも自然に任せるより他はないと觀念して...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...その煩悶を免れる手段は固(もと)より「現状の進行に任せる」よりほかはないのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...お前に任せるから...
森鴎外 「蛇」
...そんならその煩はしい事を人に任せるかといふと...
森鴎外 「魔睡」
...「真壁はあなたに任せると...
山本周五郎 「失蝶記」
...すべては天意――このつづらに任せるのほかはない」刀を抱いて沈みこんだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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