...尻内驛より汽車に乘換へて、青森を過ぎ、弘前に至りて、岩木山を仰ぐ...
大町桂月 「十和田湖」
...もし今日よりしてかの封建世界の訓言たるいかなる場合にても決して一国生活の必要を他に仰ぐべからずという固陋(ころう)なる悪習を去り...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...峯頭を目八分に仰ぐだけに...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...その点について奥さんの御尽力を仰ぐ気は毛頭ないんだから...
夏目漱石 「明暗」
...怨(うら)めしさうに平次を振り仰ぐのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少年は空を仰ぐ...
北條民雄 「童貞記」
...妙な手つきをして月を仰ぐ)曇り...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...故に古来最寄りの地点に神明(しんめい)を勧請(かんじょう)し、社を建て、産土神(うぶすながみ)として朝夕参り、朔望(さくぼう)には、必ず村中ことごとく参り、もって神恩を謝し、聖徳を仰ぐ...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...見るともなしに榧の木末を仰ぐと...
横瀬夜雨 「べつ甲蜂」
...それの壇を仰ぐことができなかった...
吉川英治 「上杉謙信」
...何気なく振り仰ぐと...
吉川英治 「剣難女難」
...三日月の光を仰ぐとき...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして時々耳には、キロロ、キロロ……と帰る雁(かり)の声が聞え、仰ぐと、竿(さお)のような雁の列が、しばしば水の彼方(かなた)へ消え去った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...鐘楼(しょうろう)の下から仰ぐと...
吉川英治 「親鸞」
...三仰ぐと、高い所に、ぼちとたった一つの燈(ひ)が見える...
吉川英治 「親鸞」
...夏木立の梢(こずえ)を仰ぐと...
吉川英治 「親鸞」
...やがて仰ぐ行く手の雲と雲の間に剣山(つるぎさん)の姿がどっしりと沈んで見えた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「雷鳴(かみなり)さま」と、山を仰ぐ...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索