...仰ぐと空が一本の銀の糸の様に見える』『五間の舞台で芝居がやれるのか?』『マア聞き給え...
石川啄木 「火星の芝居」
...助を我に仰ぐの國は决して...
竹越三叉 「深憂大患」
...庇護(ひご)を仰ぐ気になったことを...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...これらはただ名義上トルコ国を宗国と仰ぐのみにてほとんど独立の邦国に均(ひと)しく...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...男は決然と立つて袴(はかま)の紐(ひも)を結び直しつつも心引かるる風情(ふぜい)にて打仰ぐ女の顔をば上より斜(ななめ)に見下ろしたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...硝子戸を隔てて軒先から仰ぐ灰色の空に花びらが舞ひあがつて雪のやうである...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...アリストフアーネスの像を打ち仰ぐ者は稀ですが...
牧野信一 「山彦の街」
...より大方の批正を仰ぐことにしたわけである...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...底から仰ぐ狭い空の曇っていることだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...耿々(こうこう)の星を仰ぐたびに...
吉川英治 「三国志」
...仰ぐと、驚くべき決意を示した人間がひとり宙にぶら下がっている...
吉川英治 「三国志」
...みすみす、主と仰ぐ若殿が、日ごろ下風に見ている新田党の手にかかって、その自由も蟄居(ちっきょ)の門も、彼らの警固に、ゆだねられた上、「たとえ、高氏殿のおん母たりとも、鎌倉どののみゆるしなくば、お会わせ申すことはならぬ」とまで、へだてられて来たのだった...
吉川英治 「私本太平記」
...そこの軒桁(のきげた)を仰ぐがいい...
吉川英治 「私本太平記」
...信長の出馬を仰ぐことが万全と信じたのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...夜どおしのご急下を仰ぐなど...
吉川英治 「新・水滸伝」
...振り仰ぐと、その樹の上にも、一人の山伏が、蝉(せみ)のように止まって物見をしていた...
吉川英治 「親鸞」
...星を仰ぐと、その星のまたたきまでが、自分とともに、歓んでくれているように思える...
吉川英治 「宮本武蔵」
...お前もそんな歳をしていてまだそんな荒猟をやるのかと笑いながら振向いて老爺の顔を仰ぐと...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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