...敬意を表しかたがた今後の寄書をも仰ぐべく特に社員を鴎外の仮寓(かぐう)に伺候せしめた...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...大阪南本町の仮寓にゐた私を訪ねて来てくれたことがあつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...南本町の私の仮寓に客を送りこむと...
薄田泣菫 「独楽園」
...九月以来の仮寓を引き払っていよいよ中村屋に移ったのは...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...それが彼をまだ自然における仮寓者にしておいたという...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...此の家はもと死んだ古白君の長く仮寓していた家であったという事が余をしてこの家を卜せしむるに至った主な原因であった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...三洞仮寓うらは椿の落ちたままむつかしい因数分解の...
種田山頭火 「道中記」
...帰朝当座の先生は矢来町(やらいちょう)の奥さんの実家中根(なかね)氏邸に仮寓(かぐう)していた...
寺田寅彦 「夏目漱石先生の追憶」
...其後病気のため英国南岸ブライトン附近に仮寓したこともあります...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...その私の仮寓は三条大宮を東へ入ったところにある...
外村繁 「澪標」
...昭和三十三年十二月家のない私は三十前後のころ谷中(やなか)の真如院(しんにょいん)という寺に仮寓(かぐう)していた...
中勘助 「独り碁」
...白雲はその書物を買って来て両国橋の仮寓(かぐう)へ帰り...
中里介山 「大菩薩峠」
...山の麓にその人たちの仮寓はあつた...
原民喜 「鎮魂歌」
...山の麓(ふもと)にその人たちの仮寓(かぐう)はあった...
原民喜 「鎮魂歌」
...それは一時の仮寓であつたと見えて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...さっそく麹町六番町の仮寓へ訪ねると六曲一双の屏風へ五頭の虎を描いていた...
山本笑月 「明治世相百話」
...一時博多の北船(きたふね)という処に仮寓して後(のち)...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...良人は日本領事館に仮寓して居たので...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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