...「毎日」が仮令(たとへ)甚(どんな)事で此方に戈を向けるにしても...
石川啄木 「菊池君」
...仮令いやな意味ではなくとも...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...仮令それが世間の標準から見ては大した金額でなくとも...
江戸川乱歩 「心理試験」
...仮令死んで行く身にも...
江戸川乱歩 「双生児」
...仮令彼女が事の真相を悟ったとしても...
江戸川乱歩 「双生児」
...仮令一人にても誠実主義精神すら達すれば足らんか...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...又仮令これ限(き)りお宮を見なくなるにしてもお宮のいる前で勘定の不足をするのは尚お堪えられなかった...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...仮令(たとえ)一見して間違ったように見えても...
中島敦 「光と風と夢」
...仮令、肉体的に、性的には調和した夫妻ではあったろうが、精神的には淋しかったのではないか、それで俺にいろいろ話したのではないのか...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...仮令公方様の御胤にもせよ紀州に生れて九州に流れ野に伏し山に育って来た天一坊が...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...扨又結婚の上は仮令い命を失うとも心を金石の如くに堅くして不義するなとは最も好き教訓にして...
福沢諭吉 「女大学評論」
...其婦人が仮令(たと)い之を外面に顕わさゞるも...
福沢諭吉 「女大学評論」
...仮令い帳簿を見ても分明(ぶんみょう)ならず...
福沢諭吉 「新女大学」
...仮令(たと)い役人にならぬでも...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...仮令(たとい)お手紙を上げたとて...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...仮令(たとい)字面は同じでも決してスゲ(Carex)の場合のスゲではない...
牧野富太郎 「植物記」
...江戸の方は其角(きかく)嵐雪(らんせつ)の句でも白雄(しらお)一派の句でも仮令(たとい)いくらかの美しい処はあるにしても...
正岡子規 「病牀六尺」
...仮令(たとえ)小生が相手の望み通りの仕事を遂行しなくとも...
夢野久作 「暗黒公使」
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