...そしてかねがねその代償として博士にお支払いすることになっていた金十万円也を...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...その代償として相手のポケットへ...
海野十三 「心臓盗難」
...代償として別の画をはめていったものでありまして...
海野十三 「すり替え怪画」
...代償としてその愛せざる男より...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...所謂新カント派の批判主義はこの実証主義の主張に対抗して、哲学が、自然の問題に就いて云えば、自然科学の基礎づけ(方法論)を独立に与える資格を有っているという理由によって、哲学を自然科学の侵略から護ろうとしたが、その代償として、哲学が直接に――自然哲学というような形で――自然を問題とすることを厳重に戒めた...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...云わば対軍内部への代償として...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...全国の農民団体(?)はこの頃軍部の後援を得て「飯米差押一カ年禁止」をスローガンとする運動を始めたがっているそうでその代償としてかどうか知らないが...
戸坂潤 「社会時評」
...閣下の提出したる未曾有の大豫算に協贊する代償として...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...翻訳の代償として...
豊島与志雄 「新妻の手記」
...名誉も金も代償として考えたものではなかった...
野村胡堂 「楽聖物語」
...「――その喜田川三郎氏が、奥さんの志津子さんを、どんなに溺愛したことか、――これは二人の結婚の成立から話して行かなければよくわかりませんが、あまり話が長くなりますから、兎も角奥さんの両親が、昭和初年の財界の変動で破産に瀕した時、巨万の金を投げ出して、恐ろしい不名誉と陥(お)ちかかった貧苦の淵から救い、その代償として、――誠に怪(け)しからぬことですが、お嬢さんの志津子さんを迎え容れ、喜田川夫人として披露したのだと申上(もうしあ)げただけで充分だろうと思います...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...だが、何の代償として、またどういふ手段でそれを手に入れたのか――それはどうしても思ひ出すことが出来なかつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...私はその代償としてこの日記そのものの獨自性をも危險にさらさなければならぬ事には...
堀辰雄 「七つの手紙」
...するとその力は、贈り得る限りのあらゆるもので、彼をねぎらうと同時に、その代償として、常に取り上げるもの一切を、容赦なく彼から取り上げたのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...その代償として當分の飮代(のみしろ)をつかませた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...だってその代償として...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その代償として客を取らされた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...けれどもかの女自身にとってはその貼札の代償として生涯の生き方を決定されたのである...
山本周五郎 「新潮記」
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